エアトレックの印象
エアトレックターボR
私は、最近まで約1年に渡ってエアトレックを所有。実際に所有した経験をもとにした印象をお伝えしたいと思います。
☆速さ
まず、ターボRの速さですが、都内下道の信号ダッシュの印象としては、「そこそこ」といった感覚。同じく三菱のターボエンジン(4G15ターボ)を搭載するコルトプラスラリーアートのほうが、都内信号ダッシュは楽という印象でした。
ただ、高速道路となると、エアトレックほうがコルトラリーアートよりも圧倒的に早く、ランエボと同じエンジンを搭載しているという“所有する喜び”を感じることができたといえます。ランエボよりもデチューンされているとはいえ、トルクが35kgf·m。これは、車重2トン近い大型高級サルーンのプラウディアB仕様と同じ数値(新車価格510万円)。また、2010年式メルセデス・ベンツのS350(新車価格1050万円)とも同等であるのです。
☆操作性
ハンドルは、比較的軽めという印象なのですが、ターボRは4WDということもあってか、高速道路での安定性は高め。都内の下道だけを走った感覚では、なんとなく高速安定性がよくなさそうと思ったのですが、高速に行くと意外にも「ビシッとした」感じがありました。また、ステアリングシフトスイッチが付いているのですが、これはランエボGT-Aと同じ装備。年式や車両本体価格を考慮すると、凄いものをつけてくれたという感想になります。
☆乗り心地
乗り心地は非常に固く、不満になるレベル。ちょっとした突起でも「ゴツン」と来る感じがあり、乗り心地は“かなり悪い”といえます。そうであるにも関わらず、首都高といったカーブの多い道では足がビシッとしている感覚がそこまで高くないため、かなり不満でした。
私は、ワンオーナーかつ走行距離が5万キロといった程度の車両を買ったのですが、ショックアブソーバーがだめになっているのか疑ったほど。しかし、ショックアブソーバーといった足回りに問題はありませんでした。新車時のネット掲示板をみても「乗り心地が悪い」という声が多かったため、これが本来の性能なのだと思います。
乗り心地が悪いのにコーナリング性能がそこまで高くないというのは、最も不満なポイントです。ショックアブソーバーを変更したりしてチューニングしたいと思いました。
☆使い勝手
しかし、その一方で乗降性や見晴らし、運転間隔の良さといった“使い勝手”はとても良く、乗っていて快適な部分もあります。
また、エアトレックに限らず、三菱車全体にいえることですが、シートが硬めで疲れないのが良い点。こういった三菱車のシートは、距離や経年劣化によってヘタるということも少なく、優秀だと思います。
そして、4WDは三菱の得意分野。様々な雪道を走りましたが、とても満足した走りでした。
クルマのサイズが全長4500mm程度とコンパクトで、全高も1540mm以下。都内の立体駐車場から、地方の細い道、はたまた雪国まで、どこにでもストレスなく行けるというのがエアトレックの良さだといえます。
ワンオーナー車を購入。下回りはとてもきれいだった。
☆居住性
全高が1540mmに抑えられているエアトレックターボRですが、SUVというだけあって車内は広く感じます。特に、天井は高く、フロントガラスも広め。このパッケージで全高が1550mm以下に抑えられているというのは感動モノだと思いました。
さらに、後席の足元はとても広く、リクライニング機能も備えています。エアトレックの後席には何人も人を乗せたことがあるのですが、「広い」と言われたほど。皆さんから、好評でした。
☆質感
本体価格230万円のクルマという観点では、エアトレックの質感は高め。プラスチック部品のしっかりした感じにも好感が持てますし、ハンドルとシフトノブが本革巻きというのも良い点です。ちなみに、ハンドルが本革巻き仕様多めというのも三菱の良さ。エアトレックに限らず、iといった軽自動車でも本革巻きステアリングを装着している中古車が珍しくありません。
☆収納
後席が広い反面、荷室部分は短め。全長約4500mmのうち、カーゴ部分への割当が低いといえます。そのため、4人乗車して荷物を積むという場合は、ちょっと不安な部分があるかもしれません。ただ、2名乗車時は、リアシートがたためるので、軽い引っ越しができるぐらいの空間になります。
☆燃費
燃費は非常に悪く、これまで私が乗ってきたクルマの中でも最悪の部類。都内下道を走るとリッターあたり4km台を叩き出すということが珍しくありません。それでいてタンクの容量が小さいため、ガソリンスタンドに行く頻度は高めでした。
ロールスロイスのような超高級車であればリッターあたり4kmというのは「仕方がない」と思える部分が多少はあるものの、エアトレックのように“オールラウンダー”というキャラクターを持っている場合、この燃費はかなりストレスが高いポイントになります。