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倒産が相次ぐパチンコ業界で「パチンコ店店長の平均年収が“630万円”に上がった意外な理由」

転職エージェントから見た「パチンコ業界の景気」

パチンコ——そんな昨今、エージェントから見たパチンコ業界の景気についてはどう感じますか? 嶌田氏:ホールとユーザーが減った分、業界の市場規模は縮小していますが、スマスロなどの話題性のある遊技台の導入などから、業界の盛り上がりを感じています。その影響なのか、パチンコ業界以外に転職をされた方から今の業界動向に関するお問い合わせは増えています。 ——では、ホール社員の年収事情はどうなんでしょうか。私は「ホール店員=高給取り」というイメージがありますが……。 竹中氏:以前は店長で年収1千万円という方もいました。今は企業間の年収格差がなくなり、店長の平均年収は約630万ほど、エリア長で約800万くらいですね。店舗数が下がっている中でも安定した経営をされている優良法人は今も多く、そのような法人は年収が高い傾向があり、年収ベース自体が引きあがっている状況です。

パチンコ店員の労働環境は改善傾向に

——働き方に関してはいかがでしょうか。一昔前は「店内はタバコの煙があふれ、ドル箱運びで腰を痛め、朝から晩までの長い勤務時間で休日は少ない」なんてイメージもありましたが……。 竹中氏:そんな時代もありましたね(笑)。店内環境という点でいえば働きやすくなってきたと思います。現在は改正健康増進法に伴い、パチンコ店内は原則禁煙となっていますし。各台計数機や自動景品交換システムなどの設備の普及も進んで、肉体的にもかなり楽になってきていると思います。勤務数という点においても、5年ほど前の月間公休日は7.2日平均で現在は7.8日まで増えているなど、徐々に改善されている状況といえるでしょう。 ——一昔前のパチンコ店のイメージとは全く変わっているんですね。環境がよくなっているからこそ志望する人も増えているのだと思いますが、パチンコ業界の転職を目指す人の志望理由はどういったものがありますか? 竹中氏:理由は様々ですが、正社員を希望される方は「接客スキルを活用したい、給与が良い、パチンコ・パチスロが好き」といった理由が多いです。なかには、YouTubeやSNSからパチンコ動画を見て興味を持ったという方もいますね。アルバイトスタッフの応募者では「髪型・髪色が自由、働いているスタッフの動画をきっかけに一緒に働いてみたいと思った」という声もあるようです。
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今後のパチンコ業界はどうなる?
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パチンコ攻略誌の編集を9年間務めた後フリーの編集者へ転身。多数のメディアやメーカー等業界内に広い人脈を持つ。日々取材をこなしながら業界内の情報を収集中
Twitter:barinko

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