倒産が相次ぐパチンコ業界で「パチンコ店店長の平均年収が“630万円”に上がった意外な理由」
「パチンコ店に就職する」
この言葉を聞いたら、あなたはどのようなイメージを持つだろうか。
一時は業界第3位の店舗数を誇っていたガイアが実質的に倒産となり、老舗メーカー「西陣」の廃業など、世間的にも「冬の時代」というイメージを与えてしまった2023年のパチンコ業界。世情の影響を受けやすそうなパチンコ業界だが、「転職事情」はどのようになっているのだろうか。
そこで今回は、パチンコ業界の転職事情に迫るべく、パチンコ業界に特化した転職支援エージェントのパイオニア「株式会社パック・エックス」の嶌田氏と竹中氏のお二人に事情を伺った。嶌田氏は勤続17年、竹中氏は勤続10年で、両者ともパチンコ転職におけるエキスパートである。そんなお二人は、業界の未来をどのように見ているのだろうか。
——まずは御社が紹介している就職先についてお伺いしたいのですが、主にパチンコホールという認識で間違いないでしょうか。
竹中氏:そうですね。9割方ホールへの就職で、稀にその法人が運営している他業種やパチンコメーカー、機械の販売会社等への就職もあります。
——そのうえでお聞きしたいのですが、ここ数年の求人の動きについていかがでしょうか。
嶌田氏:いわゆる「コロナ前」の2019年あたりは、ここ10年で最も多いといっていいほど求人数がありました。世間の有効求人倍率も1.6倍ほどあり、パチンコ業界以外も人材不足だったと思います。しかしコロナによりパチンコ業界は大打撃を受け、求人数も求職者数も減りました。ホールも当時の状況で「ホール運営を拡大・縮小するべきか、どこまで人を採用していいのか」と営業方針を悩んでいたと思います。
——当時と状況は多少なりとも変わったと感じますが、昨今の状況はいかがでしょうか。
嶌田氏:弊社のサービスを利用するパチンコホール運営企業の動向データでは、2021年の5月頃から採用ニーズが徐々に高まっており、現在はコロナ禍以前の状況に近いといえるでしょう。他業種の求人が増加し競合性が増したことは明らかで、今年の2月頃からは求職者優位の売手市場へ完全に移行した、という数値が見てとれます。
——そんなにですか!? コロナ禍の影響でホールやメーカーが多く倒産したイメージもありますが……。
竹中氏:それも事実ですね。2017年は1万店舗以上あったパチンコホールが今は7~8千店舗まで減りました。パチンコ・パチスロメーカーも老舗を含め何件も倒産や他メーカーの傘下になりましたよね。
——ホールも25%近く閉店したんですね……。「生き残ったホール」の採用については現状いかがでしょうか。
嶌田氏:営業意欲に燃えている法人が多いですよ。特に何十件もホールを抱える大手法人は今後出店計画を積極的に立てているところも多いです。
パチンコ業界はコロナ禍で人材不足に
6年前と比べて25%近くのホールが閉店
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