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「処刑場の跡地」が公園に…池袋が“オカルトと親和性が高い街”と称される納得の理由

「処刑場の跡地」が東池袋中央公園に

池袋の怪異は終わらない。 昭和時代の出来事にも話を伸ばしてみよう。太平洋戦争における戦争犯罪者を収容するために作られた施設に「巣鴨プリズン」がある。「巣鴨」といっても、これは昭和時代の土地区分上の呼び名であり、巣鴨プリズンは東池袋の土地にあった。 実は、この巣鴨プリズンの跡地こそ、現在のサンシャインシティである。また、巣鴨プリズンには戦争犯罪人を裁くための処刑場もあったというが、その跡地は、サンシャインシティの横にある東池袋中央公園になっている。そのような記憶を持つ土地だからだろうか、特に東池袋中央公園を中心として、心霊現象の報告が相次いでいる。そこで兵隊の幽霊を見たとか、「ドスン」という謎の音を聞いたであるとか、そうした類の噂話が後を絶たない。 また、「サンシャイン60」という名前の由来が、この処刑場で殺された死刑囚の数にちなんでいる、という都市伝説などもネットでは流布している。こうした噂のほとんどが真実ではないだろうが、実際にここまで心霊現象が報告される場所も、そうないだろう。そのこと自体に興味深さを覚えるし、「池袋」と「オカルト」というテーマが近しいものであることを感じさせる一例だ。

池袋ほど“オカルトと親和性が高い街”はない

また、近年でもこうしたオカルトと池袋を結びつける例がある。 2022年にSUZAKU Gamesが発売したホラーゲーム『SENSEs:Midnight』だ。これは、都市伝説好きの主人公が、「池袋ウォーキングパークの真夜中の扉」を調査するというプロットのゲームで、ここでも「都市伝説」という言葉が池袋の名前と共に出されている。『デュラララ!』の影響もあるのかもしれないが、池袋とオカルトの親和性の高さがここでも見られるのである。 このように、池袋の歴史を追っていくと、さまざまな心霊現象なり怪異現象なりが多く報告されていることがわかる。それぞれの現象が真実なのかどうかはわからない。しかし、一つ言えるのは、ここまでオカルトと親和性が高い街もない、ということである。 『デュラララ!』の作者が、このような背景となる情報を知っていて作品を書いたのかどうかわからない。しかし、明らかにオカルト的な事件を扱う同作品の舞台として、池袋は格好の場所であったことは間違いがないであろう。 <TEXT/谷頭和希>
ライター・作家。チェーンストアやテーマパークをテーマにした原稿を数多く執筆。一見平板に見える現代の都市空間について、独自の切り口で語る。「東洋経済オンライン」などで執筆中、文芸誌などにも多く寄稿をおこなう。著書に『ドンキにはなぜペンギンがいるのか』(集英社)『ブックオフから考える』(青弓社)
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