更新日:2024年03月15日 14:19
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東大院卒の研究者兼レースクイーン「そんなスカート履いて…」教授からの“アカハラ”の実態を明かす

麻薬探知犬のような役割を担えるかも?

Reina+World氏 学生時代はその美貌を活かした職業を渡り歩いたが、Reina氏はあくまで研究に一途。学部生~大学院修士課程は哺乳類、大学院博士課程(博士後期課程)は酵母、昆虫を研究対象にして、没頭した。なかでも、ゴキブリの研究をしていたころの話は興味深い。 「卵パックのような素材でゴキブリたちの巣を作って、そこに150匹程度のゴキブリを住まわせるんです。この大切な研究材料に、昆虫ゼリーをあげて、水もじゅうぶんに与えて育てるのは、私たち研究者の仕事です。当時は、ゴキブリの細胞を徹底的に調べることに熱を上げていました。『ゴキブリ並みにしぶとい奴』なんて言葉が定着しているから意外に思われるかもしれませんが、ゴキブリはとても繊細です。少なくとも、哺乳類であるラットなどに比べて、かなり丁重に扱う必要があります。細胞はすぐに死んでしまうし、少し水を切らせただけで生命を維持できない。おまけに、成虫になるのに飼育下でも3〜4ヶ月かかります。ハツカネズミというくらいですから、マウスなら20日で生殖可能になるのに、です」  Reina氏のゴキブリ愛は留まるところを知らない。たとえばゴキブリの能力を、こんな風に生かせるのではないかと目を輝かせる。 「ゴキブリは、嗅覚を立体的に捉えるのがとても得意なんです。麻薬探知犬のような役割を担えるゴキブリを作ることも可能ではないかと個人的には思っています

思わぬ場所で遭遇すると「テンションが上がる」

 一般に、Reina氏のような洗練された女性ほどゴキブリなどの害虫とは縁がないように願っているのではないか。だがReina氏は「とんでもない」とかぶりを振る。続けて、「検体採取のためにゴキブリを捕まえるとき、ハンターになった気持ちでワクワクしました」と声を弾ませた。 「本来、ゴキブリは4℃以下で活動が停止します。だから冷蔵庫に入れて動かなくなったものを解剖するのがメジャーです。しかし私は、冷蔵庫に入れたときのストレスによって研究結果が異なる可能性が排除できないと考えていました。そこで私は、150匹のゴキブリが暮らす巣をビニール袋に入れ、出口を縛り、袋の外から捕まえる方法で成体を捕獲していました。ゴキブリは非常に賢く、また身体能力がずば抜けているため、かなり至難の業です。研究を離れたプライベートでも、思わぬ場所で研究用のワモンゴキブリに遭遇するとテンションが上がります。この種類は沖縄県や鹿児島県などの南の地方にしか生息しないのですが、つい先日、銀座で見かけました。思わず写真を撮ってしまったほどです」  
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「そんなスカート履いて、何しにきたんだ」と…
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ライター、エッセイスト。可視化されにくいマイノリティに寄り添い、活字化することをライフワークとする。『潮』『サンデー毎日』『週刊金曜日』などでも執筆中。Twitter:@kuroshimaaki

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