更新日:2024年01月18日 21:04
仕事

デイサービスを運営する男性介護士が語る、高齢者介護の実情「お婆さんにキスを迫られたことも」

お婆さんにキスを迫られたことも

握手を求める女性。熱いまなざしで見つめ合う2人

握手した後に恥ずかしさから何度も頬を赤らめる女性

「20代の頃は、施設で利用者のお婆さんが僕に恋をしてしまって、キスを迫られたこともあります」  坂本氏がナースステーションにいると、そのお婆さんがかみ砕き切れない食べ物でいっぱいの口でキスを迫ってきたという。 「同僚からからかわれました」と坂本氏は苦笑いした。

お婆さんの男性選びの傾向

 そういった話は介護職の方を取材しているとよく出るのだが、決まって、イケメンで髪がふさふさの男性だ。逆にお爺さんのセクハラ話は、年齢や容姿を選んでいる様子がない。一般的に女性の方が男性よりも、ストライクゾーンが狭いというが、女性は高齢になっても男性を選り好みしているように見える。  筆者が特養老人ホームに勤務していた頃にも、17時台の再放送枠で『相棒』が流れるたびに幸せそうな表情で「今日も(水谷)豊は仕事で忙しい」「あまり会えないけれど、2人のときの豊はとても優しい」と語るお婆さんがいた。もちろん水谷豊と付き合っているという妄想なのだが、毎日、欠かさず恋人の「豊」を見て、幸せそうにしていて、うらやましく思った。今から推し活をするのなら、再放送枠に出そうな人にしようと密かに思っていたくらいだ。
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デイサービスへの行き渋り対策になっていることも
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立教大学卒経済学部経営学科卒。「あいである広場」の編集長兼ライターとして、主に介護・障害福祉・医療・少数民族など、社会的マイノリティの当事者・支援者の取材記事を執筆。現在、介護・福祉メディアで連載や集英社オンラインに寄稿している。X(旧ツイッター):@Thepowerofdive1

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