更新日:2023年12月23日 16:04
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M-1決勝、実力派コンビが大躍進の「改革のM-1」を元ファイナリストが分析

さや香(吉本興業)2年連続3回目

さや香

さや香

 ツッコミ担当新山、ボケ担当石井からなる吉本興業所属のコンビである。昨年は準優勝。当然ながら今年大本命の2人である。石井君のボヤキに対して新山君は反発。対立しながら最後はよもやの展開となるしゃべくり漫才は本当に面白い。  決勝進出後、新山君に「今さら新山君に言うことでもないけどおめでとう!」と準優勝者に配慮する形でメッセージを送ると「いえいえ! ありがとうございます! 去年の100倍嬉しかったというかホッとしました」と意外な返信が返ってきた。  準決勝に登場したさや香は貫禄さえ感じさせる佇まいで漫才を披露。石井君の意外な行動に爆笑し、それを嗜める新山君に爆笑。第4コーナーに差し掛かり、騎手が競走馬に鞭を入れるかの如く、2人の絡みはヒートアップし続け、大爆笑のままゴール。誰の目にも揺るぎない決勝進出だった。

「義務付けられた決勝進出」をクリア

 緊張など微塵も感じられなかったが、考えてみれば昨年準優勝し決勝進出が義務付けられた2人である。  周囲には余裕と見られても本人たちには相当なプレッシャーがのしかかっただろう。意外な返信に思えたが、思い返してみれば自分もそういう経験があったから納得した。  今年のプロ野球。セントラルリーグで優勝、そして日本一となった阪神タイガース。そのビールかけにロケで参加した新山君。ビールかけが始まる前には選手たちにいじられる姿を見て、関西で2人のポジションが大きく築かれつつあることを感じた。「さや香」も今年は「アレ」を達成せよ!!
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2019年以来の関西の漫才師の優勝なるか
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1972年、大阪府生まれ。1992年、11期生としてNSC大阪校に入校。主な同期に「中川家」、ケンドーコバヤシ、たむらけんじ、陣内智則らがいる。NSC在学中にケンドーコバヤシと「松口VS小林」を結成。1995年に解散後、大上邦博と「ハリガネロック」を結成、「ABCお笑い新人グランプリ」など賞レースを席巻。その後も「第1回M-1グランプリ」準優勝、「第4回爆笑オンエアバトル チャンピオン大会」優勝などの実績を重ねるが、2014年にコンビを解散。著書『芸人迷子

芸人迷子

島田紳助、松本人志、千原ジュニア、中川家、ケンドーコバヤシ、ブラックマヨネーズ……笑いの傑物たちとの日々の中で出会った「面白さ」と「悲しさ」を綴った入魂の迷走録。

⇒試し読みも出来る! ユウキロック著『芸人迷子』特設サイト(http://www.fusosha.co.jp/special/geininmaigo/)

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