更新日:2023年12月23日 16:04
エンタメ

M-1決勝、実力派コンビが大躍進の「改革のM-1」を元ファイナリストが分析

カベポスター(吉本興業)2年連続2回目

カベポスター

カベポスター

 ツッコミ担当浜田順平、ボケ担当永見大吾からなる吉本興業所属のコンビである。  昨年決勝初進出で緊張のトップバッターを務めたものの、それを感じさせない漫才で8位と健闘。今年は関西でレギュラー番組を多数獲得。永見君はR-1グランプリ2023で決勝進出し6位、さらに関西芸人なら誰もが羨むABC『探偵!ナイトスクープ』のレギュラー探偵に抜擢されるという飛躍の年となった。  今年の準決勝でも「さや香」とともに余裕を感じさせる横綱相撲を見せて2年連続の決勝進出を決めた。

2019年以来の関西の漫才師の優勝なるか

 ハイテンションの漫才が主流の中、彼らの漫才はローテンションで進む。ただただ暗い漫才をしているのかと問われれば、そうではない。  しっかりとストーリーを聞かせているのだ。その中で特筆すべきは浜田君のツッコミ。しっかりと通る声量で緩急を巧みに使い、観客を現実世界に戻して爆笑を演出する。  昨年は超個性派漫才師が多かったが、今年はメンバーから見ると「カベポスター」は特別感のある存在である。2019年、「ミルクボーイ」優勝から関西の漫才師の優勝はない。覇権奪還は上方漫才界の至上命令。ミッションをコンプリートせよ!!
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慣れない舞台で重ねた鍛錬が結実
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1972年、大阪府生まれ。1992年、11期生としてNSC大阪校に入校。主な同期に「中川家」、ケンドーコバヤシ、たむらけんじ、陣内智則らがいる。NSC在学中にケンドーコバヤシと「松口VS小林」を結成。1995年に解散後、大上邦博と「ハリガネロック」を結成、「ABCお笑い新人グランプリ」など賞レースを席巻。その後も「第1回M-1グランプリ」準優勝、「第4回爆笑オンエアバトル チャンピオン大会」優勝などの実績を重ねるが、2014年にコンビを解散。著書『芸人迷子

芸人迷子

島田紳助、松本人志、千原ジュニア、中川家、ケンドーコバヤシ、ブラックマヨネーズ……笑いの傑物たちとの日々の中で出会った「面白さ」と「悲しさ」を綴った入魂の迷走録。

⇒試し読みも出来る! ユウキロック著『芸人迷子』特設サイト(http://www.fusosha.co.jp/special/geininmaigo/)

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