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お台場「ヴィーナスフォート」の今。開館から25年、改めて“最先端の施設”に生まれ変わる

全国に数多くあるテーマパーク。今もなお新しいテーマパークが生まれては人々を楽しませ続けている。しかし、そんなテーマパークには、あまり語られることのない側面が存在する。そんな、「テーマパークのB面」をここでは語っていこう。 2023年10月5日、株式会社・刀は新しいテーマパーク「イマーシヴ・フォート東京」の概要を発表した。これは、2022年に閉館したお台場のショッピングモール「ヴィーナスフォート」跡地に誕生する新しいテーマパークで、最先端のライブエンターテイメント「イマーシヴ・シアター」形式のアトラクションを体験できるものになるという。
ヴィーナスフォート

ヴィーナスフォートの館内。筆者が、閉館間際に行ったときのもの

ヴィーナスフォートのテーマパーク化に感慨を覚えた

「イマーシヴ・シアター」とは、訪れたゲストの選択によって、そのアトラクションの進行が変わるもので、これまでのアトラクションにゲーム性が付加されたものだといえそうだ。『推しの子』や『東京リベンジャーズ』ともコラボレーションをすることが発表されており、2024年3月のオープンが待ち望まれる。 この発表を聞いたとき、私は「そうか、ヴィーナスフォートか」と思った。それは、ヴィーナスフォートが「テーマパーク型商業施設」の走りであり、そんな場所が本当のテーマパークとして復活するということに何かしらの感慨を覚えたからだ。

こだわり抜いた内装の「新横浜ラーメン博物館」

1990年代、日本にはいわゆる「テーマパーク型」の商業施設が数多く誕生した。例えばその代表例が、新横浜に1994年に誕生した「新横浜ラーメン博物館」だろう。これは、言ってしまえばラーメン屋が集まるフードコートだ。 それだけなら、全国に同じような場所はたくさんあるが、このラーメン博物館が特徴的だったのは、その内装である。館内はインスタントラーメンが誕生した1958年の街並みが細部に至るまで正確に再現されており、天井には空の絵までが描かれている。 また、その前年の1993年に誕生した大阪・梅田スカイビルの地下には「滝見小路」という、大正や昭和の街並みを再現した「レトロ飲食街」がある。
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踏襲されていった「ディズニーランド」の手法
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ライター・作家。チェーンストアやテーマパークをテーマにした原稿を数多く執筆。一見平板に見える現代の都市空間について、独自の切り口で語る。「東洋経済オンライン」などで執筆中、文芸誌などにも多く寄稿をおこなう。著書に『ドンキにはなぜペンギンがいるのか』(集英社)『ブックオフから考える』(青弓社)
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