更新日:2024年12月05日 15:10
エンタメ

「2025年に開園するテーマパーク」ディズニーランドと好対照の“異世界”にかかる期待

全国に数多くあるテーマパーク。今もなお新しいテーマパークが生まれては人々を楽しませ続けている。しかし、そんなテーマパークには、あまり語られることのない側面が存在する。そんな、「テーマパークのB面」をここでは語っていこう。 2025年、沖縄北部に新しいテーマパーク「JUNGLIA」が開業することが、ジャパン・エンターテイメントによって発表された。同社の発表によれば、このテーマパークは「都会にはない興奮と贅沢のテーマパーク」であり、近隣に世界遺産「やんばる」があるという特徴を活かしたアトラクションを計画しているという。 すでに発表されているアトラクションは数十種類あり、大森林をジャングルに見立てて冒険に出るサファリライドや、沖縄の絶景を大空に見立てたジップライン、大自然をめぐる気球型のライドなど、どれも沖縄の自然を活かしたアトラクションとなっている。
JUNGLIA

「JUNGLIA」プレスリリースより

「USJをV字回復させた男」が手掛ける

「JUNGLIA」を手がけるジャパン・エンターテイメントの筆頭株主は、株式会社・刀。刀の代表は、これまでUSJや西武園ゆうえんちなどのリニューアルを手がけ、日本のテーマパーク事業をマーケターとして支えてきた森岡毅である。 もともと、森岡はP&Gでマーケティングを担当しており、そのときの業績が認められて、業績不振に陥っていたUSJに入社することになる。そこで森岡は現在のUSJを作る数々のイベントやアトラクションを企画。それらが大きく好評を博して、USJはV字回復といわれるまでの業績の伸びを見せたのである。 森岡が、畑違いのUSJに入社したのは偶然のことではなかった。森岡は著書『USJのジェットコースターはなぜ後ろ向きに走ったのか?』(KADOKAWA)で、自身が生粋のテーマパーク好きであり、世界各地の主要なテーマパークにはほとんど訪れたと書いている。テーマパークに興味があったからこそ、彼はUSJに入社することに決めたのである。

「新しいテーマパークの形」を模索

そして、そのような森岡の「テーマパーク好き」な一面は明らかに「JUNGLIA」にも現れていると私は考えている。その構想には、これまでのテーマパークの歴史を踏まえつつも、新しいテーマパークの形を作ろうという森岡の意図が強く込められていると感じるからだ。 では、「JUNGLIA」の新しさはどこにあるのか。これを明らかにするためには、テーマパークの歴史を振り返る必要がある。
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ウォルト・ディズニーの“常軌を逸した”こだわり
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ライター・作家。チェーンストアやテーマパークをテーマにした原稿を数多く執筆。一見平板に見える現代の都市空間について、独自の切り口で語る。「東洋経済オンライン」などで執筆中、文芸誌などにも多く寄稿をおこなう。著書に『ドンキにはなぜペンギンがいるのか』(集英社)『ブックオフから考える』(青弓社)
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