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矢吹奈子22歳、HKT48卒業から「アイドルではなく俳優」の道を選んだワケ

IZ*ONEでの活動で得た「自信」と殻を破れた「自分」

矢吹奈子 しかし、IZ*ONEのメンバーになってからは、カメラが回る宿舎での共同生活や意思疎通ができない言葉の“壁”、連日続く歌とダンスのレッスンなど、慣れない環境での戸惑いや苦労も多く経験したという。  それでも自身の実力を高めるために、厳しい練習を乗り越えてきたのだ。 「最初はメンバー同士で言葉も通じなかったり、辛くてお風呂場で泣いたりと、いろんな面で大変でしたね。でも、毎日楽しみながら歌とダンスを学び、IZ*ONEのハイレベルなパフォーマンスを見せたい一心で頑張ってきました。  また、IZ*ONEの中でも私は身長が低い方で、そこがずっと心配だったんですが、ファンの方から “世界で一番大きな妖精”という愛称をつけてもらうなど、『小柄な私でも応援してもらえる』と感じられたときは、大きな自信につながりました」  2年半に及ぶIZ*ONEでの活動期限を終え、矢吹さんは2021年からHKT48に復帰して日本での活動を再開させる。

K-POPアイドルを目指さずに俳優の道に進んだワケ

 一方、IZ*ONEで一緒だったHKT48の宮脇咲良さんは、2021年6月にグループを卒業後、韓国ガールズグループ「LE SSERAFIM(ルセラフィム)」のメンバーに抜擢され、再び韓国を舞台に活動していく。  IZ*ONE時代に自身のパフォーマンスに磨きをかけ、韓国語も覚えた矢吹さんにとって、世界を席巻するK-POPアイドルへの道を進む選択肢はなかったのか。 「IZ*ONEでの活動を終えて日本に帰国してから、学園ドラマ『顔だけ先生』(フジテレビ系)に出演させていただく機会があり、同世代のキャストと話していくうちに俳優の世界に興味を持ったんです。  アイドルは本番に向けて準備してきたものを披露するのに対し、お芝居は台本を読んでイメージを固めつつ、現場に入って作品を作り上げていく。  俳優としての振る舞いは、今まで経験したことのない難しさを感じるからこそ、そこにがっつきたいというか、新しいチャレンジがしたい。そう思うようになったのが、俳優の道を志したきっかけです」  また、HKT48加入初期には「成人式を迎える頃にはセンターに立ち、それが達成できたらアイドルを卒業する」という目標を掲げていたそうだ。  2022年に新成人となった矢吹さんは、同年に発売されたHKT48の15thシングル「ビーサンはなぜなくなるのか?」にて、自身初の単独センターを勝ち取る。 「俳優業」への意欲と、アイドル初期に掲げた「夢」の実現。  K-POPアイドルではなく、自分らしく輝く姿を日本の芸能界で見出したからこそ、矢吹さんの新たな活路に繋がったのではないだろうか。
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1986年生まれ。立教大卒。ビジネス、旅行、イベント、カルチャーなど興味関心の湧く分野を中心に執筆活動を行う。社会のA面B面、メジャーからアンダーまで足を運び、現場で知ることを大切にしている

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