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ユニクロ、しまむらの影響で苦戦する「アパレル業界4位」。“競争力を失った”納得の理由

今後は「脱・小売店事業」を目指す

最後に今後の方針について見ていきましょう。ワールドは現在、アパレル小売を手がける(1)ブランド事業だけでなく、(2)デジタル事業と(3)プラットフォーム事業を展開しています。(2)では自社ECのほか、他社ECの運営代行や高級バックのレンタルサービスなどを展開しています。(3)はアパレル他社向けの店舗開発や商品開発、販売代行サービスなどを提供しており、一言でいえば他社向けのコンサルティング事業です。そしてワールドは今後、(2)と(3)の強化を図るとしています。 (1)ブランド事業:1,486億円→1,406億円→1,814億円 (2)デジタル事業:95億円→109億円→119億円 (3)プラットフォーム事業:222億円→197億円→209億円 各事業の売上高は2021年3月期から23年3月期まで上記の通り推移してきました。主力の小売には届いていませんが、重要な収入源であることが分かります。特に(3)では商品提案など個別のサービスごとに提供しているきらいのあった従来の動きから、今後は戦略立案から業務運用まで一気通貫したサービス提供を目指すようです。(2)、(3)事業の躍進だけで以前の全社3,000億円体制にまで戻る可能性はかなり低いですが、これまでのノウハウを活かし、今後は他社ブランドの成長に貢献することでしょう。 <TEXT/ 山口伸>
経済・テクノロジー・不動産分野のライター。企業分析や都市開発の記事を執筆する。取得した資格は簿記、ファイナンシャルプランナー。趣味は経済関係の本や決算書を読むこと。 Twitter:@shin_yamaguchi_
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