出店ラッシュ続く”回転寿司チェーン大手3社”の中で、くら寿司だけが「回転レーン」を続けられるワケ
客足が回復し、何とかコロナ前の状態に戻った外食環境の中で、回転寿司チェーン上位3社は、ここぞとばかりに出店数を増やし、攻めの経営姿勢に転じている。
各社が自社ならではの独自性をアピールするが、明確な差別化ができず、同質化の域を出ていないようにも見えるのは仕方ないのか。そういったもどかしい競争環境の中で、熾烈な争いを展開する各社の店舗戦略を分析してみたい。
本来、回転寿司は、バリエーション豊かな寿司が「安い・美味しい・早い」との店のコンセプトから、幅広い年齢層に支持されてきた業態だ。
大概の店が、ネタの鮮度と大きさなど本道を極めながら、独自性を発揮し差別化を図ろうとするものの、なかなか優位性を伝えるのが難しい状態である。
例えば人気店が監修したラーメン、著名パティシエとのコラボによるスイーツ、人気アニメとの企画など、話題性をアピールし集客力を強化しようと打ち出す企画などはどこも同じように見え、決め手に欠けるのが実情だ。
そういった中、スケールメリットが経営を有利にするチェーン店では、店舗数の伸びが重要になり、各社が陣取り合戦のように出店を競っている。
特に注目されるのははま寿司だ。親会社の資本力を背景に最も勢いがあり、1位スシローを猛追している。
また、寿司は海外での認知度も高く日本食ブームの中でも人気だ。各社、国内市場をより深耕する市場浸透戦略と収益力の高い海外市場を開拓する新市場開拓戦略を同時に展開するなど出店戦略は活発だ。
1位 スシロー(店舗数843、国内648海外195、25年2月末時点)
2位 はま寿司(店舗数718、国内631海外87、25年2月時点)
3位 くら寿司(店舗数686、国内551海外135、25年1月末時点)

※画像はイメージです
陣取り合戦を繰り広げる回転寿司大手3社
回転寿司チェーンの店舗数上位3社
飲食店支援専門の中小企業診断士・行政書士。自らも調理師免許を有し、過去には飲食店を経営。現在は中村コンサルタント事務所代表として後継者問題など、事業承継対策にも力を入れている。X(旧ツイッター):@kaisyasindan
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