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『月刊住職』は“仏教界の文春砲”。知られざるお坊さんの世界を覗いてみた

一式50万円からの高額法衣

 筆者は着物好きなのだが、有名寺院ともなると住職の法衣はとても良質な正絹に見える。実際はいくらくらいなのか。 「新年の護摩祈祷など、大きな行事で着ている法衣ともなると、一式50万円以上します。有名寺院ともなると、150万円くらいのものを着ている場合もあります。檀家の家で法事をするときなどは、汚れないようにポリエステルの着物を着ます。だから、何着も必要になります」  最低でも50万円から。どうりで豪華に見えるわけだ。 「お寺では仏具や法衣は外商が、この数珠はどうですか?など営業してきます。数珠も50万円くらいするものがあれば、住職により違いますが、高いものは本当に高いです」  今の時代に外商だ。バブル期で時が止まっているかと錯覚する。

『月刊住職』はお寺ワールドの文春砲

 ライターたちの間で、過激なコンテンツで有名な『月刊住職』という仏教雑誌がある。見出しには「慚愧に堪えない!僧侶の女性関連凶悪事件続発」「住職が妻を殺害しお寺に放火」「住職が妻を木刀で殴り逮捕」「住職が女子大生をストーキングで逮捕」など、かなり攻めた内容のタイトルが並ぶ。僧侶はみな読んでいるのか。 「月刊住職はどこの寺にもありますが、人前で読むものではありません。他山の住職のスキャンダルをリークし合うこともあります。仏教界の文春砲です」  どこの世界でも他人を蹴落としたい人は一定数存在する。お坊さんの世界も例外ではないようだ。
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神様は古代語しか理解できない
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立教大学卒経済学部経営学科卒。「あいである広場」の編集長兼ライターとして、主に介護・障害福祉・医療・少数民族など、社会的マイノリティの当事者・支援者の取材記事を執筆。現在、介護・福祉メディアで連載や集英社オンラインに寄稿している。X(旧ツイッター):@Thepowerofdive1

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