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『月刊住職』は“仏教界の文春砲”。知られざるお坊さんの世界を覗いてみた

護摩焚きはまるでロックフェスティバル

 1月も半ばを過ぎたが、初詣に行った方は多いのではないか。筆者は、密教系の護摩祈祷が大好きなので、今年ももちろん行った。  護摩祈祷とは、護摩木に願い事を書くと、僧侶たちが護摩壇上で祈願してくれる仏教行事だ。燃え盛る炎の迫力、打ち鳴らされる太鼓のリズム。我が家では「護摩焚きロックフェスティバル」と呼び、各寺の護摩祈祷を巡っている。
護摩祈祷

参考写真:護摩祈祷

 有名寺院ともなれば、僧侶の人数も多く、迫力満点。いかにも厄が祓われそうなありがたい儀式だ。  3が日にとある有名寺院で、護摩祈祷のアルバイトをしたH住職にその裏側と仏教ワールド秘話を聞いた。H氏は、都内某寺の住職で、大きな護摩祈祷の際にアルバイトで祈祷に参加するという。 「3が日ともなると、1日に5回ほど祈祷をします。1回40分ほどです。日当は1万5千円です」  40分×5回で1万5千円。1回につき、3,000円だ。少々、安い気はするが、大人数のアルバイト僧侶を雇うこともあり、予算の問題で高額ではないようだ。

錫杖(しゃくじょう)の振り過ぎで腱鞘炎に

 祈祷中は住職を中心として、他の僧侶たちは、太鼓を叩く人もいれば、錫杖を振り続けている人もいる。40分間、お経を忘れたり、疲れたりはしないのか。 「たまにですが、お経を忘れることがあります。そんな時は人数が多いので、隣の僧侶がどこを読んでいるのか教えてくれます。錫杖を振り続けると腱鞘炎になります」  護摩祈祷はかなりの肉体労働のようだが、それにしては40分3,000円は安いと感じる。
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護摩祈祷のアレンジは寺院オリジナル
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立教大学卒経済学部経営学科卒。「あいである広場」の編集長兼ライターとして、主に介護・障害福祉・医療・少数民族など、社会的マイノリティの当事者・支援者の取材記事を執筆。現在、介護・福祉メディアで連載や集英社オンラインに寄稿している。X(旧ツイッター):@Thepowerofdive1

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