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300円ショップが好調の「3COINS」。“100均より高品質の雑貨”を求める消費者の受け皿に

いったん落ち込むも、すぐに回復

近年の業績を見ていきましょう。2020年2月期から2023年2月期の業績は以下の通り推移しており、コロナ禍で一旦は落ち込んだものの、すぐに回復しています。 【パルグループHD(2020年2月期~2023年2月期)】 売上高:1,322億円→1,085億円→1,342億円→1,645億円 営業利益:90.7億円→13.8億円→75.2億円→158.2億円 売上高(衣料事業):971億円→755億円→871億円→1,058億円 売上高(雑貨事業):350億円→329億円→470億円→586億円 全社店舗数:926店舗→932店舗→902店舗→927店舗

EC売上を支えた“社内インフルエンサー”

衣料事業は21年2月期、22年2月期にコロナ禍前の水準を下回り、23年2月期に回復しました。消費行動の正常化で店舗に客が戻ったことも一因ですが、ECの好調も回復に寄与しています。全社のEC売上高は20年2月期から23年2月期にかけて113億円から223億円へと拡大しました。国内アパレルEC市場の拡大に沿った形といえるでしょう。 加えて、同社では社員やアルバイトなどの販売スタッフを公認の“社内インフルエンサー”として活動させ、フォロワー数に応じてインセンティブを支払う取り組みを行っています。中にはインスタのフォロワー数が数十万に及ぶスタッフもおり、特にECにおいてはインフルエンサーの貢献度も大きかったようです。
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拡大の余地がまだある「300円ショップ市場」
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経済・テクノロジー・不動産分野のライター。企業分析や都市開発の記事を執筆する。取得した資格は簿記、ファイナンシャルプランナー。趣味は経済関係の本や決算書を読むこと。 Twitter:@shin_yamaguchi_

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