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300円ショップが好調の「3COINS」。“100均より高品質の雑貨”を求める消費者の受け皿に

拡大の余地がまだある「300円ショップ市場」

一方の雑貨事業は売上高の8割を占める「3COINS」が躍進しました。もともと伸びていた業態ですが、20年2月期から23年2月期にかけて店舗数は199→268店舗に。この間、3COINS単体の売上高も258億円から490億円へと拡大しています。ちなみに衣料事業で展開するブランドで3COINSの売上高を超えるブランドはなく、3COINSは名実ともにパルグループHDの主力事業となっています。このように近年はEC、そして3COINSが同社の業績を牽引した形です。 今期(24年2月期)もECおよび3COINSの好調が続いており、同社は通期売上高を1,843億円と見込んでいます。。過去最高だった23/2期の数値を上回る勢いです。特に3COINS事業では300円商品だけでなく1,000円以上のものも扱う大型店「3COINS+plus」も好調だったようで、既存店・新店の売上が増収に繋がりました。同様に衣料事業のECも伸びると見込んでおり、28年度のEC売上高目標を1,000億円と定めています。実店舗に関してはより効率的な大型店の出店を進める方針です。 とはいえ、短期では雑貨事業の3COINSが牽引役になると考えられます。競合の動きをみるとダイソーが300円ショップ「Standard Products」の店舗数を増やしていることから、300円ショップ市場に拡大の余地がありそうです。300円ショップの需要増加は、従来の100円ショップよりも品質の良い雑貨を手に入れたいという消費者のニーズを反映しています。将来的に雑貨事業の売上高が本業である衣料事業のそれを上回るかもしれません。 <TEXT/山口伸>
経済・テクノロジー・不動産分野のライター。企業分析や都市開発の記事を執筆する。取得した資格は簿記、ファイナンシャルプランナー。趣味は経済関係の本や決算書を読むこと。 Twitter:@shin_yamaguchi_
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