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“インバウン丼”で話題の豊洲「千客万来」に客が困惑する場所が…改善すべき“ちぐはぐなコンセプト”

今後は「テーマ」の完遂に期待

もともとイマーシヴ・フォート東京は、「ヴィーナスフォート」という商業施設があった場所にそのまま作られている。いわゆる「居抜き」だ。そのため、ヴィーナスフォート時代の店舗のシャッターがそのまま残っているのだが、このテーマパークは、パーク全体の設定が「夜」になっているので、店のシャッターが閉まっていても設定に齟齬が無い。逆にシャッターが閉まっていること自体が、その設定にリアリティーを与える。 シャッターが閉まっていることは、どちらかといえば、そこが居抜き物件であるという裏側、つまりバックヤードを見せているようにも思えるが、テーマ設定で巧妙に配置し直しているのである。 こうした試みに比べると、やはり「千客万来」は、とりあえず流行の「テーマパーク型」開発に乗っただけ、と思われても仕方のない側面がある。 「千客万来」の施設が出揃うのはこれからだ。その施設が「テーマパーク的」に成功できるかどうかは、これからの展開次第であるが、その成功は、いかにその「テーマ」を完遂できるか、その一点にかかっていると思う。 <取材・文・撮影/谷頭和希>
ライター・作家。チェーンストアやテーマパークをテーマにした原稿を数多く執筆。一見平板に見える現代の都市空間について、独自の切り口で語る。「東洋経済オンライン」などで執筆中、文芸誌などにも多く寄稿をおこなう。著書に『ドンキにはなぜペンギンがいるのか』(集英社)『ブックオフから考える』(青弓社)
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