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『離婚しない男』でも挿入歌に。中西保志の「最後の雨」が30年以上歌い継がれる理由

「最後の雨」が歌い継がれる理由

令和の感覚からすると、異常としかいえないけど、「最後の雨」のサビ終わり、“強く抱いて 君を壊したい”を本気で実践したら、同作の逃避行くらい衝撃的だもんな。 そこはかとない狂気漂う90年代の精神性が、実は30年以上しぶとく残ってるのかもしれない。ジリジリするしぶとさを如実に示すのが、オリコン55週のロング記録だし、あるいは現在のカラオケランキング100位圏内もそう。 鈴木おさむが、『高校教師』と同じ1月期ドラマ『離婚しない男』を鳴物入りの最恐の不倫ドラマに仕上げた理由。あえて昭和的感覚で書いたことは、平成ナンバーであるはずの「最後の雨」が昭和歌謡と思われる錯覚と符号する。あるいは鈴木にとっては連ドラ脚本引退作でもある本作自体を視聴者と結ぶ赤い糸に見立てたんじゃないだろうか。この糸を手繰り寄せ続ける限り、強烈な愛のメッセージを隠した「最後の雨」が歌い継がれるために。 <TEXT/加賀谷健>
コラムニスト・音楽企画プロデューサー。クラシック音楽を専門とするプロダクションでR&B部門を立ち上げ、企画プロデュースの傍ら、大学時代から夢中の「イケメンと映画」をテーマにコラムを執筆。最近では解説番組出演の他、ドラマの脚本を書いている。日本大学芸術学部映画学科監督コース卒業。Twitter:@1895cu
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