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森保監督の采配が“進化”していた北朝鮮戦。「1点しか取れなかった」日本代表に期待しても良い理由

森保監督の采配が“進化”していた?

 後半に入り、プレッシングを強めてきた北朝鮮に何度かシュートチャンスをつくられる。前半とは違い、前線からのプレスも仕掛けてきた相手に対して、日本代表のビルドアップの精度が低くなっていった。そこで森保監督は後半29分にシステムを3バックに変更。後方で数的優位な状況をつくりつつ、全体を押し上げてコンパクトな陣形を保つことで、試合のペースを取り戻すことに成功した。  アジアカップでは状況を見据えた一手を打てていなかった森保監督だが、この試合における采配には進化を感じるものがあった。  1試合だけではなんとも言い難いが、早期敗退の反省点を生かした戦いはできていたように思われる。苦しい展開を招いてしまったのは、フィニッシュの精度や、プレッシャー下のプレー判断など、“できるはずのプレー”ができなかったためなのだ。

「ワールドカップ優勝」を目指しているのであれば…

 三笘薫、冨安健洋、伊東純也など本来のメンバーを招集できなかったことに加えて、招集できた遠藤航や久保建英のコンディションは決して万全ではなかった。しかし、ワールドカップでの優勝を公言するチームであれば、さらにクオリティの高い試合を見せてほしい。実現できるポテンシャルは持っているはずなのだ。  ピッチ外でのひと悶着に巻き込まれてしまい、アジアカップで露呈した課題の解決は持ち越しだ。おそらく最終予選進出は確実となったが、6月にはミャンマー、シリアとの試合が残っているし、その後は9月からは最終予選が始まる。アジア勢としのぎを削る機会が続くからこそ、現状の課題は必ず解決しなければならない問題である。注意深く観察していきたいところだ。 <TEXT/川原宏樹 撮影/MTK Photo>
スポーツライター。日本最大級だったサッカーの有料メディアを有するIT企業で、コンテンツ制作を行いスポーツ業界と関わり始める。そのなかで有名海外クラブとのビジネス立ち上げなどに関わる。その後サッカー専門誌「ストライカーDX」編集部を経て、独立。現在はサッカーを中心にスポーツコンテンツ制作に携わる
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