仕事

タクシー運転手が思わずイラっとしてしまう「客の第一声」。遅れたのは自分なのに…

イライラが頂点に達した男は…

タクシードライバー

※画像はイメージです

 すると、男のイライラは頂点に達したのか、「これだったら、ひとつ先のインターで降りて戻ってくれば早く着いただろ? 何やってんだよ、ふざけんな」と、完全な言いがかり。  しかも、目的地に着いても行きたい建物が反対車線にあるのでUターンしろと言い出した。その場で降りて横断歩道を渡ればすぐなのにだ。 「この道路は転回禁止なので、反対車線に着けるには相当先まで進まないといけませんが、よろしいですか?」  うんざりしつつ真面目に答えたところ、 「もういい、ドア開けろ。本当に急いでいると何度も言ったのに、なんでこんなことになったんだ。苦情入れてやるからな!」  喚きながら降りて行ったのでありました。

勘違いも甚だしい輩

 ドライバーを見下すような高飛車な態度をする人もたまに現れる。同僚のベテラン、Bさんが都心のタワマンに呼ばれて乗せたのは、いかにもチャラそうな30代くらいの男だった。Bさんはいつものように「ご乗車ありがとうございます」と丁寧に挨拶し、目的地を尋ねると、 「〇〇スクエア。急いでるから早く出せ」  命令口調でふんぞり返っていた。カチンと来てもそこはベテラン。いちいち反応してもいらだつだけなので、すぐに車を出し、流れに乗って順調に制限速度+10㎞ほどで走っていると、 「おい、おまえナメてんのか?」  男はイキナリ絡んできた。 「俺は急いでいるって言ったよな、なんでトロトロ左車線走ってるんだ? 右のほうが流れが速いじゃねーか」
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Bさんが新人を装って謝罪すると
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フリーライター。定時制で東京を走り回っている現役の中年タクシードライバー

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