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「ゴキブリを持ったまま土下座させられた」横暴な客に泣く店員たち

増加する悪質クレームに対抗策はあるのか?

 暴言、脅迫、長時間拘束……店員に対して悪態をつきまくる「カスハラ(カスタマーハラスメント)」の問題が深刻化。理不尽な怒りをぶつけ、不当な要求をしてくる客に堂々と「NO」を突きつける社会はやってくるか!?
カスハラ

※写真はイメージです

“お客さまは神様”を振りかざす客の横暴ぶり

 都内の靴修理店で働く小林良太さん(仮名・31歳)は、悪質なクレームが仕事上の大きなストレスになっていると訴える。 「修理を終えた靴を客に渡したら『こんなキズはもともとなかった。全額弁償しろ!』と靴を投げつけられました。弁償はできない旨を伝えると『お前プロだろ!? できないなら仕事辞めちまえ!』と長時間にわたって怒鳴られる。こんなことは日常茶飯事です」  こうしたスタッフへの過度なクレームや迷惑行為は「カスタマーハラスメント(カスハラ)」と呼ばれ、近年、社会問題化している。  産業別労働組合「UAゼンセン」は’17~’18年、カスハラについてのアンケートを実施。約8万人から回答があり、そのうち7割が「客から迷惑行為を受けたことがある」と回答した。アンケートに寄せられた現場の声は生々しく、多岐にわたっている。 「『ゴキブリを踏みつけたから拭け!』と言われ、床にはいつくばってゴキブリを取った。さらに『そのまま土下座して謝れ!』と言われ、ゴキブリを持ったまま土下座した」(飲食店従業員) 「踏切の警報機が鳴っているのに、『行けやボケ!』と言われた」(タクシー運転手) 「サラダバーに小バエが飛んでいたという理由で6時間以上拘束された」(飲食店従業員)  UAゼンセン流通部門副事務局長の波岸孝典氏が語る。 「カスハラ対応に追われ、現場の人は疲弊しています。アンケート回答数は想定の約2.5倍も集まりました。現場の声を聞いてほしいという訴えの表れだと思います」  アンケートによると、カスハラで最も多いのは「暴言」で、「威嚇・脅迫」、「何回も同じ内容を繰り返すクレーム」、「権威的(説教)態度」と続く。共通して言えるのは、客が“異常に偉そうにしている”という点だ。 「靴修理が好きでこの仕事をしているのに、なぜ不当に怒鳴られないといけないのか。カスハラに耐えかねて辞めていく同僚は、毎年何人もいます」(小林さん)
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立場の弱い店員をサンドバッグ扱い
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