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「リゾートバイト感覚で300万円」SNS上に氾濫する“闇バイト”の甘い誘惑、加担する若者が増加中

闇バイトの仕事は“即戦力”が求められる

 Aさんは、闇バイトの実態調査を行うためにいくつかの案件に応募。リクルーターとのチャットや通話で、闇バイトの勧誘手口を探った。  そこでわかったのは「即戦力を求められることが多かった」ということだ。 「しきりに『いつからできますか?』と迫られるのが印象的でした。もたもたしていると、連絡が来なくなったりと、とにかく早く動ける人を探していたように感じました。また、ちょっとでも興味を示すと、本人確認の言い分で運転免許証の提示などをせがまれました。  言わずもがな、一度見せてしまえば、身バレして後戻りができなくなるので、所在や身元がわかる情報は安易に見せてはいけません」

甘い言葉で勧誘する海外闇バイトの実態

リゾートバイト感覚

「リゾートバイト感覚」で闇バイトへ促す文言

 海外を活動拠点とした闇バイトについては「滞在費や食費は負担する」、「リゾートバイト感覚」など、魅力的な文言を並べて勧誘することが多いとのこと。
テレグラム

テレグラム上でのやりとりの様子

「実際に犯罪の“実行役”をSNS上で探しているリクルーターと通話し、仕事の内容を詳しく聞こうとしても『詳細はタイに来たら教えてあげる』と言われました。無論、現地に行ったら戻って来れる保証はありませんので、たとえ興味本位であっても、リゾートバイトの言葉に惹かれて海外に行くのは危険です」  特殊詐欺に関しては全体の7〜8割が電話を主体に行われているそうだ。架け子は日本にいるとは限らず、海外から国内へ架電しているケースも多い。 テレグラム「特殊詐欺を仕掛ける側も巧妙で、闇バイト経験が初めての人を積極的に受け子や出し子に回す代わりに、警察に顔が知られている累犯者や闇バイト経験者は、最高3日までの稼働など、ルールが仕組み化されています。 「『捕まることはない』『心配ない』などと言ってくることが多いですが、闇バイトの実行役は犯罪組織にとってはいわば“捨て駒”で、逮捕されるリスクは非常に高いです。たとえ高額報酬を提示されても飛びついてはいけません」
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特殊詐欺に巻き込まれないための「心構え」
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1986年生まれ。立教大卒。ビジネス、旅行、イベント、カルチャーなど興味関心の湧く分野を中心に執筆活動を行う。社会のA面B面、メジャーからアンダーまで足を運び、現場で知ることを大切にしている

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