「年金は月2万円だけ」バイトで食いつなぐ64歳独身男性。それでも生活保護を受けない理由――大反響・総合トップ10
日刊SPA!で反響の大きかった2023年の記事をジャンル別に発表してきたが、今回は総合トップ10。初回とランキング発表時の反響をあわせて集計、惜しくもトップ10を逃した記事を順位不同で紹介!(集計期間は2023年1月~2024年3月。初公開2023年5月27日 記事は取材時の状況)
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生活が苦しくとも誰にも相談できない――。そんな孤独を抱えながら貧困に苦しむ中高年が増えている。特に同居家族がいない独居中高年の場合、身近に助けを求められる人すらいなく、苦しい状況を一人で抱えたまま心を病んでしまう人もいる。中高年を襲う孤独と貧困の実情に迫った。
「貯金もないし年金も月2万円しかない。そのうえ持病の治療費もかかるので仕事をやめるわけにはいかないです」
そう話すのは未婚で一人暮らしの加藤貞夫さん(仮名・64歳)。5年前から、ちくのう症と不整脈を患い、通院をしながら介護補助の仕事を続けている。
「契約社員や派遣で働いた期間が長く、60歳から繰り上げ受給をしたので年金額が少ないんです。今は訪問介護のアルバイトを週4日こなして月収は10万円ほど。家賃や生活費、薬代に消えて、毎月ほぼお金は残りませんね」
加藤さんが暮らす都内のアパートは築50年。家賃が2万5000円と格安なので、同じような独居の高齢者が多いという。
「隣の住人は80代後半だったのですが、少し前に孤独死してしまったんです。生前に話したときに『生活保護を受けないんですか?』と聞いたら、『恥ずかしいからイヤだ』と。
私も年金と合わせて生活保護未満の収入しかないので、悩んでしまいます。今はなんとか働けていますが、この先どうなるのかと……」
年金月2万円の闘病生活
隣の住人は80代後半で孤独死
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