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「シングルマザーはだらしない」という心無い声も…物件を契約できない“住宅弱者”の実態

多くの人材が活躍できる土壌を作りたい

竹田恵子氏

子どもたちが明るい未来に向かって進んでいける社会を目指す

 なぜここまで大きなビジョンを描き、それを実行できたのか。竹田氏は豪快に笑いながらこう答えた。 「人々にとって地域が身近になって、みんなが働ける社会になれば、少し希望が見えてくるじゃないですか。私は子どもたちが明るい未来に向かって進んでいける社会であるべきだと思っていて、そのためには多くの人材が活躍できる土壌がなければいけないと考えています。不動産業に携わる人間として、自分が持てるリソースを活用することで貢献できれば私の“おせっかい”も本望です」  勝ち馬に乗って弱者を遠ざけることはしても、自ら手を差し伸べる人は少ない。まして銀行から融資を受けてまで住宅弱者の居場所を作ろうともがく人間が、どれほどいるだろう。誰もが社会から必要とされ、存在を認められるようになってほしい。竹田氏のそんな切なる願いが周囲の良心をそっと奮い立たせ、「こうだったらいいな」を次々に現実にしていく。 <取材・文/黒島暁生>
ライター、エッセイスト。可視化されにくいマイノリティに寄り添い、活字化することをライフワークとする。『潮』『サンデー毎日』『週刊金曜日』などでも執筆中。Twitter:@kuroshimaaki
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