お金

いきなりステーキ、特許の「オーダーカット制」廃止を招いた逆風。老舗チェーンと分かれた明暗も

アフターコロナでも客数は前年比2桁増

ブロンコビリー

ブロンコビリーの店内

 顧客の囲い込みと再来店を促す仕掛けも徹底強化している。顧客にアプリのダウンロードを促し、そのアプリには来店金額に応じたポイントを付与し、貯めて使う楽しみを顧客に提供している。また会計の際に人数分の特典付きのスクラッチ券を配布し、再来店の動機づくりをしている。  こういった販促が功を奏し、筆者の地元では営業開始時間前に早く行って並ばないと、入店に時間を要するといったイメージが定着しており、必ず営業時間前の早い時間に行っていた。  これは決算書を見ても一目瞭然で、客数の推移をみると、コロナが収束して客数が回復していた前年に対しても、今年の第一四半期は、110%と2桁成長で著しく増えている。

ビッグボーイの巻き返し!

ビッグボーイ

ビッグボーイの店舗

 一方で、昔から馴染みある「ビックボーイ」も人気である。ビッグボーイは1932年にアメリカで創業し、日本での経営権は2002年12月にダイエーからゼンショーグループに譲渡された。  ビッグボーイもブロンコビリーとほぼ同時期の1978年にスタートしたステーキハンバーグをメインにしたファミリーレストランである。こちらもアメリカ風の店舗に、調理場が客席から見えるオープンキッチンで手こねハンバーグやステーキ類などを焼き上げる工程を楽しむことができる。  ゼンショーグループは外食売上ランキング首位で、牛丼(すき家)、親子丼(なか卯)、ステーキ&ハンバーグ(ココス・ビッグボーイ)、回転寿司(はま寿司)、スパゲティ(ジョリーパスタ)など、多種多様な業態を傘下に持つ外食最大手である。  M&Aを駆使した成長戦略で、連結売上7799億円、総店舗数1万283店舗、傘下に19ブランド(2023年3月末時点)を保有する規模を誇っている。収益性は営業利益217億円、営業利益率は2.8%と、他業態を展開してリスク分散を図っているが、リターンも分散しているようである。
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ロードサイドを中心に約200店舗を展開
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飲食店支援専門の中小企業診断士・行政書士。自らも調理師免許を有し、過去には飲食店を経営。現在は中村コンサルタント事務所代表として後継者問題など、事業承継対策にも力を入れている。X(旧ツイッター):@kaisyasindan
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