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桜蔭中高から現役で東大合格。挫折知らずの”超エリート女子”がうつ病を発症し麻雀プロになるまで

東大の代わりに居場所になった”雀荘”

勉強の代わりに麻雀が居場所に 気分もふさぎこんで、自室にこもる毎日。新倉さんはうつ病を発症してしまいました。 「音や刺激に敏感になり、好きだった映画鑑賞も難しくなりました。その代わりに、麻雀番組を見る時間が増えたんです。麻雀は一試合が淡々と進み、試合が動くときも非常に静かに展開します。気持ちを病んでいた私にとって、ちょうどいいコンテンツでした」  ここから麻雀に興味を持ち始めた新倉さんは、大学院生になった4月に初めて雀荘へ向かいました。 「うつ病でできた大きな勉強のブランクのせいで、大学には居場所を感じることが難しかった。しかし、麻雀は自分の居場所になってくれたんです。やがて、このまま法律の勉強を続けるよりも、麻雀で身を立てていきたいと感じるようになりました。  知り合いからは止められましたが、『麻雀でプロを目指そう』と決めて、大学院を退学しました。いまは、日本プロ麻雀協会の麻雀プロとして活動しています」

「東大らしい」進路にとらわれないことが大切

 もちろん、彼女が選ばなかった道には、輝かしい生涯年収や社会的地位などが待っていました。今でも「自分が東大を出て、司法試験に合格するとか、有名企業に就職して活躍していたら」と想像することもあるそうです。  ですが、同時に「東大を出たのであれば、そのエリートきっぷを使わないといけない」とする義務的な考えをするのも嫌でした。自分の生きる道を広げるために進学を選択したのにもかかわらず、東大に来てしまったがゆえに「東大らしい」進路を周りから望まれる。世間の目に縛られず、自分の生きたい道を生きられる選択をしたい。麻雀プロになったのは、その決心の表れでした。 「人生において、進むべき道はひとつだけではないんです。もちろん、『こうあるべき』とされている道を歩むのも選択の一つ。ただ、それだけではないことを念頭に置いて、自分の人生を自分で選択するべきだと感じます。  私の場合は、『せっかく学歴があるんだから』と自分で自分の選択肢を狭めてしまうところでしたが、学歴はやはりあったほうが良いでしょう。重要なのは、自分で人生を選ぶ余裕があることではないでしょうか。自分の実力で選択権を勝ち取って、道を選べば、後悔のない人生が歩めるはずです」 「東大」の名に縛られず、自分だけの人生を歩き出した新倉さん。彼女の今後の活躍に期待です。
1997年生まれ。世帯年収300万円台の家庭に生まれながらも、効率的な勉強法を自ら編み出し、東大合格を果たす。著書に最小限のコストで最大の成果を出すためのノウハウを体系化した著書『東大式節約勉強法』、膨大な範囲と量の受験勉強をする中で気がついた「コスパを極限まで高める時間の使い方」を解説した『東大式時間術』がある。株式会社カルペ・ディエムにて、講師として、お金と時間をかけない「省エネ」スタイルの勉強法を学生たちに伝えている。(Xアカウント:@Temma_Fusegawa

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