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ロレックス投資の超基本「6世代ごとの違いと中古市場の評価」をプロが解説

 腕時計投資家の斉藤由貴生です。  高級腕時計で大人気の「ロレックス」でありますが、今、その全体像を把握するのはなかなか困難になっているかと思います。  日本で「ロレックスブーム」といわれていた1990年代後半時点では、今よりラインナップ数がシンプルだったため、全体像を把握しやすかったといえます。しかし今では、世代、ラインナップ数が増えてしまったため、ロレックスの全体像を把握するのが難しくなっている部分があります。  ということで今回は、ロレックスの各世代を解説。世代を把握することによって、ロレックスの全体像がだいぶつかみやすくなると思います。そして、全体像を把握することによって、「穴場モデル」を把握することや、「通な1本」を見つけることができることでしょう。

【4桁世代】一般的に手に入る中では最も古いモデル

【4桁世代】1675

 古い順にロレックス各世代を見ていきますが、最も古いといえるが『4桁世代』であります。  本来、ロレックスの歴史においてこの『4桁世代』は最も古い世代というわけではないのですが、現在の中古市場で“一般的に手に入るモデル”という観点では、『4桁』がもっとも古いといって差し支えないといえます。  4桁世代は生産期間が長く、「いつからが4桁」というのも難しいのですが、いわゆる4桁世代といえるのが1960年ぐらいからだといえます。1960年より前にも、4桁リファレンスを持つモデルが存在しているのですが、それらは“普通の4桁”よりもさらに前といった感じ。1960年代以降モデルよりも何かと『特別感』が強いため、“より古い4桁”と区別したほうが分かりやすいといえます。  4桁世代を分けるならば、  ・1950年代=より古い4桁  ・1960年代~1980年代=4桁世代  というようになります。  また、1980年代には「80年代ヴィンテージ」といえるモデルが登場しているため、1980年代は、「4桁」と「80年代ヴィンテージ」が混在していることになります。

中古相場で評価されるモデルは?

 中古相場でみた4桁世代の特徴は、「スポーツモデルが評価されている」という点であります。デイトジャストやデイデイトといった非・スポーツ系は、最も安価な中古相場となっている一方、スポーツ系は、最新モデルよりも高値となっていることが珍しくありません。  ただ、4桁世代のスポーツモデルは、1990年代後半には「いつかは手に入れたい憧れモデル」といった印象だったのですが、近年では、「マニア向け」といった側面が強くなっているといえます。  4桁世代は、生産期間が長いため、同じモデルでも「パーツ交換の有無」や「仕様違い」で相場が異なるため、4桁世代に詳しい人でないと手が出しづらいのです。また、モデルによっては正規メンテナンスの受付が不可となっているため、そういった点でも玄人向けとなっているといえます。  ですから、4桁世代は「以前ほど人気度が高くない」といえるわけですが、この世代ならではのクラシカルな魅力は、今でも全く失われていません。4桁を狙うには少し勉強する必要がありますが、調べて買う価値のある世代だといえます。 <特に高値(中古相場300万円以上のステンレス素材。以下同様。)となっているモデル> ・デイトナ:797万円~(特にポール・ニューマンは高値。推定5000万円以上) ・赤シード:525万円~ ・ミルガウス:389万円~ ・エクスプローラー2:346万円~ ※『1950年代のより古い4桁』は、いずれも高値(300万円以上)だといえる

【より古い4桁】6542

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どことなくクラシカル感が漂う、80年代ヴィンテージ
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1986年生まれ。日本初の腕時計投資家として、「腕時計投資新聞」で執筆。母方の祖父はチャコット創業者、父は医者という裕福な家庭に生まれるが幼少期に両親が離婚。中学1年生の頃より、企業のホームページ作成業務を個人で請負い収入を得る。それを元手に高級腕時計を購入。その頃、買った値段より高く売る腕時計投資を考案し、時計の売買で資金を増やしていく。高校卒業後は就職、5年間の社会人経験を経てから筑波大学情報学群情報メディア創成学類に入学。お金を使わず贅沢する「ドケチ快適」のプロ。腕時計は買った値段より高く売却、ロールスロイスは実質10万円で購入。著書に『腕時計投資のすすめ』(イカロス出版)と『もう新品は買うな!』がある

もう新品は買うな!もう新品は買うな!

もう大量消費、大量生産で無駄遣いをするのはやめよう


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