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「腕時計に100万円は高すぎる」ロレックスよりもコスパの高い“予算50万円台”高級腕時計5選

ロレックスを30万円台で買えたのは昔の話

Rolex 腕時計投資家の斉藤由貴生です。  私が初めて高級腕時計を買ったのは1999年のことですが、当時はオメガが10万円台、ロレックスが30万円台(並行品の新品実勢価格)といった相場でした。  現在の相場を見ると、『昔は安かった』と思われることでしょう。ただ、当時の感覚からしても、腕時計に10万円ものお金を出すのは「高い」と感じました。それが、いざ勇気を出して買うと、その魅力にはまり、どんどん予算感が広がっていくということになるのです。  これは、私に限ったことではなく、最初に30万円程度のロレックスを買った人が、次に40万円ぐらいのパネライ、その次に50万円ぐらいのフランクミュラーと「ステップアップ」していく光景が珍しくありませんでした。  そして、そのうち予算が100万円以上になり、腕時計の良さに目覚めてしまった人にとって「100万円の腕時計を買う」という行為は、“普通”となっていくわけです。  しかし今、ロレックスといった人気高級腕時計を買おうと思ったら、最初から100万円ぐらいの予算が必要となっている状態であります。  高級腕時計を買った経験がある人からすると「100万円」という予算は“普通”である一方、買ったことがない人が最初の1本を買おうと思ったときに「いきなり100万円」というのは、ハードルが高いといえます。  ということで今回は、主に高級腕時計を買ったことがない方向けの入門編として、予算50万円程度で購入できる高級腕時計を考えて見たいと思います。

万人向け腕時計の予算は40万円以上

10万円未満で購入可能な例:タグホイヤーキリウム

10万円未満で購入可能な例:タグホイヤーキリウム

 現在、ハイブランドの中古腕時計は10万円ぐらいから狙える個体があるのですが、実は価格が低いモノほど初心者向けではないように感じます。例えば、タグホイヤーには、10万円未満で購入可能な機械式モデルであるわけですが、1997年に出た「キリウム」というシリーズを知っている人はあまりいないでしょう。実はこのモデル、マニアックなタグホイヤーファン目線では「良さ」がわかるため、きちんと楽しむ事ができるといえます。ただ、知識や経験がない初心者が買ったとしても、キリウムの良さが分からず、買った後に満足しない可能性があるのです。  また、予算30万円程度であれば、カルティエのパシャ38mmを狙うことができるのですが、この時計の見た目もまた、初心者向けとはいえません。パシャ38mmは、上級モデルという役割が与えられていたため、発売当初の新品実勢価格はロレックス主要モデルよりも高値でした。  現在、サブマリーナーの16610は、最安値(ABランク以上)が約120万円となっていますが、2001年当時、16610の新品実勢価格は約38万円。それに対して、パシャ38mmは約45万円もしたのです。  2012年頃までの中古相場において、両者の相場差は10万円未満といったところでしたが、2013年以降は16610の相場が上昇。その結果、今や両者の相場差は90万円程度となっているわけです。  こういったことを考慮すると、上級モデル、なおかつ独特な世界観があるパシャ38mmを約30万円で買う、ということが魅力的といえますが、これもまた高級腕時計初心者からすると「理屈は分かっても実感がわかない」となるかと思います。  ですから、安価な価格帯の中古腕時計ほど「慣れている人向け」といえるため、初心者向けの高級腕時計は予算40万円以上となるわけです。
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予算50万円程度で買える腕時計
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1986年生まれ。日本初の腕時計投資家として、「腕時計投資新聞」で執筆。母方の祖父はチャコット創業者、父は医者という裕福な家庭に生まれるが幼少期に両親が離婚。中学1年生の頃より、企業のホームページ作成業務を個人で請負い収入を得る。それを元手に高級腕時計を購入。その頃、買った値段より高く売る腕時計投資を考案し、時計の売買で資金を増やしていく。高校卒業後は就職、5年間の社会人経験を経てから筑波大学情報学群情報メディア創成学類に入学。お金を使わず贅沢する「ドケチ快適」のプロ。腕時計は買った値段より高く売却、ロールスロイスは実質10万円で購入。著書に『腕時計投資のすすめ』(イカロス出版)と『もう新品は買うな!』がある

もう新品は買うな!もう新品は買うな!

もう大量消費、大量生産で無駄遣いをするのはやめよう


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