介護保険制度が始まるまで、ヘルパーは公務員だった「利用者の入浴介助さえできず」
公務員ヘルパー時代のサービス時間は180分(3時間)
「介護保険サービスが始まる前は、今のように連日、利用者を訪問することはできませんでした。当時は週2回・1回3時間が平均的でした。だから、『訪問している時間以外に不便がないように、何をするかはその利用者と一緒に考えなさい』と先輩から言われました」
例えば、訪問していないときにもきちんと食事ができるように、カレーや豚汁など、日持ちをするメニューを作り置きしておくなどの工夫をしたという。
「昔より今のほうが訪問の頻度があるので、生活リズムはできやすいかもしれません」
また、障害者・高齢者向けサービスの間の垣根がなかったことや公務員であることで、介護拒否する高齢者の家庭にも入ることができた。
「今でも、ヘルパーが家に入ることに抵抗がある高齢者だとしても、区の職員ならば訪問を歓迎してくれる人がいます。また、高齢の母と精神障害がある息子の組み合わせなどは一緒に訪問することができました。今では、障害者のケアと高齢者のケアは財源も違えば、法律も違い、同じ事業所やヘルパーが対応することが難しい」
そんな公務員ヘルパー生活にも終わりが訪れた。2000(平成12)年から、現行の介護保険法が施行されることになった。
「介護保険制度がスタートすると、ホームヘルパーサービスは民間の事業所に委託されます。それなので、1995年頃に、今後、どうするかの面談がありました。だけど、私は生活支援の有効性を立証したかったので、現場から離れられず退職しました」
そのまま公務員として定年退職まで勤めれば、退職金は2,000万円近く支給された。だけど、それよりも介護現場で人と接することを、るかさんは選んだ。
若い世代に伝えたいこと
ライター・原作者・あいである広場編集長。立教大学経済学部経営学科卒。「認知症」「介護虐待」「障害者支援」「マイノリティ問題」など、多くの人が見ないようにする社会課題を中心に取材する。文春オンライン・週刊プレイボーイ・LIFULL介護などで連載・寄稿中。『認知症が見る世界』(竹書房・2023年)原作者
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