タイに移住した45歳男性が明かす、月8万5000円で悠々自適な生活「面倒な人間関係も避けられる」
近年、「FIRE」という生き方が注目を集めている。資産運用で経済的に自立し、定年退職を迎える前にリタイアすることだ。今まで仕事に費やしていた時間を自由に使い、趣味などに没頭する……。
パタヤチャンネル」というYouTubeチャンネルを運営している亮太さん。今回は詳しい話を聞いた。
現在45歳の亮太さんがFIREし、タイのパタヤに移住したのは6年前。39歳のときだった。きっかけは何だったのか。
「もともと海外に住みたいという強い思いがあり、オーストラリアの大学に通っていました。卒業後、名古屋の旅行会社で3年間働きましたが、給料が低く、手取りは15〜18万円程度でした。このまま働き続けても貯蓄は難しく、海外移住も夢のまた夢だと感じたため、海外で就職したいと考えるようになったのです」
大学時代の経験が忘れられず、26歳で一念発起してオーストラリアの旅行会社に就職したという。
「ケアンズの旅行会社で6年半働き、32歳で同じ会社のシドニー本社に転勤になりました。その後、2年で退職したのですが、理由はもっと多くの国を旅行したかったからです。休暇が取りやすいということから現地法人の大手不動産会社に就職し、有給を使ってタイをはじめ、ベトナムやカンボジアなど東南アジア4カ国を周遊しました。
タイに初めて訪れたとき、当時の雰囲気が昭和の経済成長期の日本に似ていて、逆に新鮮に感じました。また、物価の安さも大きな魅力でした。その頃から、いつかタイに住みたいと思うように思ったんです」
33歳でタイ移住を強く意識した亮太さんが、FIREを目指した理由について話してくれた。
「日本では仕事が人生の9割を占め、プライベートが1割というイメージがあります。でも、オーストラリアでは逆で、仕事は1割程度で9割は自分のために使う、という考え方が一般的でした。
僕にとって、肉体的にも精神的にも元気で経験値もお金もある40代〜50代がベストな年齢だと思い、その時期に自分の時間を大切にしたいと考えました。もしも60代や70代になってお金がなくなっても、そのときにまた働くのも面白いかなって」
その後、FIREを実現するために本格的に貯蓄を始めた。
「目標は、生活費を除いた5000万円の運用資金を貯めることでした。そのため、ほとんど休みなく働いていました。特に節約していたわけではなく、むしろお金を使う時間がなかったのです。旅行でタイを訪れてはいましたが、タイに住むと決めてからは旅行以外で休んだのは年間でわずか4〜5日程度です。
副業では不動産を活用したビジネスで、それだけで月に30万円以上の収入がありました。本業の給料には一切手をつけず、副業で余ったお金を貯蓄に回していました。また、オーストラリアでは金利が高かったので、定期預金や投資信託を中心に投資をしていました。オーストラリア以外にもタイやフィリピン、ラオス、カンボジアで株式投資を行っていました」
また、貯蓄期間の生活についても聞いた。無駄遣いはしなかったものの、特別な節約意識もなかったという。
「オーストラリアでは外食費が高かったため、自炊が主でした。もともと料理が好きだったのでとくに問題ありませんでしたね。現在住んでいる家もタイ株の利益で購入したものですが、こうして資金を貯め、40歳になる直前にタイへの移住を実現しました」
目標の40代に入る前にタイのパタヤに移住できた亮太さん。リタイア後の海外移住先として人気のタイだが、バンコクではなくパタヤを選んだ理由は何だったのだろうか。
「移住までに20回以上旅行で訪れたり、他の国もまわってみた結果、パタヤが一番住みやすいと感じたからです。もともとタイの昭和の日本の経済成長期みたいな雰囲気が気に入っていましたが、バンコクはすでに栄えすぎていましたし、生活費もパタヤの3〜4倍でした。
バンコクでは、日本に住むのとあまり変わらないと思ったんです。パタヤはほどよく田舎で、海があるのも気に入っています」
一方で、パタヤでの移住に苦労したことはあったのだろうか。
「タイに限らず、海外での生活にはビザの問題がありましたね。現在はタイランドエリートビザを持っており、最短で5年、最長で20年まで長期滞在が可能です。それ以外に特に苦労していることはありませんね。基本的に苦労を避けることが自分のスタンスで、例えば海外移住でよく悩みの種になる“面倒な人間関係”は避けています。日本人の働いている割合が少ないパタヤでは、そうした問題も避けられるのが魅力的です」
そんな憧れのFIREを40歳手前で達成し、現在はタイのリゾート地として知られるパタヤに移住し、リタイア生活を送っている男性がいる。「タイは、昭和の経済成長期の日本と似ていて…
日本では人生の大半が仕事で終わる
面倒な人間関係が避けられる
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東京都出身。20代を歌舞伎町で過ごす、元キャバ嬢ライター。現在はタイと日本を往復し、夜の街やタイに住む人を取材する海外短期滞在ライターとしても活動中。アジアの日本人キャバクラに潜入就職した著書『底辺キャバ嬢、アジアでナンバー1になる』(イーストプレス)が発売中。X(旧Twitter):@ayumikawano
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