高齢者向け風俗は「心のふれあい重視」。家事、入浴…“レンタル奥さん”に高まる需要
高齢者にも当然、性欲はあるが、ないかのように、その実態はタブーとして語られることは少ない。高齢者にデリバリーヘルスサービスを提供する、はんどめいど俱楽部代表のショウ氏(53歳)に話を聞いた。
ショウ氏は専門学校卒業後、スポーツ用品店の正社員として働くも、うつになり退職した。復職しようとしたが、レジャー産業は不景気だったため、同業界には戻れなかった。そして、35~36歳の頃、福祉職に転職し、訪問介護事業所に勤務することとなる。
その中で障害者の性の問題を知り、介護福祉士の国家資格を取得した後、40歳で障害者専門風俗「はんどめいど倶楽部」を開業した。今年で、開業してから、13年になる。
その経営の中で、高齢者の性の問題にも関心を持ち、約10年前から高齢者向けのデリバリーヘルスサービスもスタートする。顧客層は、およそ60~70歳位だ。顧客は、要介護認定は受けていない人たちだという。
「高齢者へのサービスを始めるとき、そのマーケットは未知数でした。サービスの申し込みも、高齢者なので、メインは電話です。しかも、今どき珍しく、固定電話から着信があります」
令和5年版高齢社会白書(衆議院)によると、日本の総人口は、令和4年10月1日現在、1億2,495万人。 そのうち、65歳以上人口は、3,624万人。 総人口に占める65歳以上人口の割合(高齢化率)は29.0%だ。しかし、「はんどめいど俱楽部」のような介護・福祉系のデリヘルサービスの利用者のニーズは当時、分からなかった。
ショウ氏は、日中は、商談などで電話に出られないことも多い。コールバックは、21時過ぎになることも。
「21時に電話しても、だいたい留守電になっていて、つながりません。翌朝、電話をすると、もう寝ていたと言われたりします。高齢者なので、夜が早いんです」
また、世代の問題で、インターネットで記事が出た時よりも、雑誌などの紙媒体で掲載された時の方が、問い合わせが増えるという。
「高齢者専門の売春クラブを描いた映画『茶飲友達』の世界ですね。三行広告を出すことも考えています」
高齢者向け風俗、顧客は60〜70歳メイン
高齢者独特の予約の問題
ライター。webサイト「あいである広場」の編集長でもあり、社会的マイノリティ(障がい者、ひきこもり、性的マイノリティ、少数民族など)とその支援者や家族たちの生の声を取材し、お役立ち情報を発信している。著書に『認知症が見る世界 現役ヘルパーが描く介護現場の真実』(原作、吉田美紀子・漫画、バンブーコミックス エッセイセレクション)がある。X(旧ツイッター):@Thepowerofdive1
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