更新日:2024年09月28日 09:09
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袴田ひで子さん「“被告人は無罪”が神々しく聞こえました」。袴田事件裁判で現場は“お祭り状態”に

東京から普通列車に乗ってやってきた中学生も

 実は、「袴田事件」には2014年の再審決定後も検察側の即時抗告審で再審が一度退けられるなど、紆余曲折があった。そして、今日の再審の判決を向かえられただけに、支援者らの喜びはひとしおだ。  傍聴希望者は、平日ということもあって全体的に年齢層が高めだったが、大学生などの若者の姿もちらほらと。  そのなかでも、特に異色だったのが、都内に住む中学1年生の少年の姿。この日は、中学校が休校だったといい、朝4時に起きて自宅のある東京から普通電車に乗って来たとのこと。  少年によると、袴田事件に対して並々ならぬ想いがあるようで、他の事件と一線を画すほどの興味深さだと語る。 「これまで過去3回、同じように普通電車に乗って静岡に袴田事件を傍聴しようと挑戦してきました。ただ、傍聴券に外れてばかりで一回も当たったことがありません……」(都内在住の中学1年生)
裁判所

東京から朝4時に起きて来たという少年。結局、傍聴券には外れてしまった

 筆者も、くじ運が非常に悪い。袴田事件を傍聴すべく、6回も静岡へ足を運び、傍聴券を挑戦してきたが、1回しか傍聴できなかった。袴田事件は注目が高く、常に傍聴券が交付され、その倍率も3倍を超えているだけに外れ続けてしまった。

袴田さんが“無実の人”へと変わる瞬間

裁判所

姉のひで子さんら支援者の入構行進

 午後1時14分、袴田巖さんの姉で再審請求人の袴田ひで子さん(91)と弁護団が裁判所内に入る。  午後2時、定刻通り判決言渡しが始まった。國井裁判長の開廷宣言の後、すぐに判決の結論である「主文」が言い渡した。 「主文、被告人は無罪」  この一言の瞬間、袴田さんは確定死刑囚から一転、“無実の人”へと変わった。  判決言渡しから1分も経たないうちに、日本中のメディアに「袴田事件、再審無罪判決」の文字が躍った。傍聴券に外れてしまった支援者らは、この報道で初めて判決内容を知ることとなる。支援者の一人は、無罪を知った瞬間の様子を「鳥肌が立ちました。無罪というは確信していたのですが、なぜか驚いています。外では、支援者たちで万歳三唱をしました」と振り返った。  なかでも判決で注目を浴びたのが、捜査機関による「捏造」に踏み込んだこと。支援者らにとって、判決に「捏造」という文言すら出ないかも、と言われていただけに、捜査機関の違法性を指摘した今回の判決は悲願が叶ったのだ。  午後3時59分、判決の言渡しが終わり、閉廷した。
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袴田さんは“真の自由”を獲得することはできるのか
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2002年生まれ、都内某私立大に在籍中の現役学生。趣味は御神輿を担ぐこと。高校生の頃から裁判傍聴にハマり、傍聴歴6年、傍聴総数900件以上。有名事件から万引き事件、民事裁判など幅広く傍聴する雑食系マニア。その他、裁判記録の閲覧や行政文書の開示請求も行っている。
X(旧ツイッター):@Gakuse_Bocho

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