高校無償化は「貧困層だけにデメリットがある」理由。「授業料を払わなくていい」わけではない
―[貧困東大生・布施川天馬]―
みなさんは、公立高校が無償化されることを知っていますか?
2025年4月から公立・私立を問わず一律に年間11万8000円の就学支援金の所得制限を撤廃し、公立高校を実質的に無償化すると発表されています。
さらには2026年4月から私立高校を対象に加算されている就学支援金の上限額の所得制限を撤廃し、私立の全国平均の授業料である45万7000円にひきあげるとも。
これは、授業料がタダになるだけで、学費すべてではありません。例えば、制服代、施設費、修学旅行積立費など、様々な項目金を払う必要があります。施設費は20万~30万円程度する学校がほとんどで、なんだかんだ年間30万~50万円程度は出費が見込まれる。
それに、授業料だって「払わなくていい」わけではありません。私は、今回の私立高校無償化策は裕福な家庭と、中流家庭のみを救う施策で、本当に困っている貧困家庭に高等教育を届かせるものではないと考えています。なぜそう考えるかをお伝えします。

※画像はイメージです。以下同
キャッシュフローが一時的にマイナスになる
授業料の立て替え自体が困難な場合もある
1997年生まれ。世帯年収300万円台の家庭に生まれながらも、効率的な勉強法を自ら編み出し、東大合格を果たす。著書に最小限のコストで最大の成果を出すためのノウハウを体系化した著書『東大式節約勉強法』、膨大な範囲と量の受験勉強をする中で気がついた「コスパを極限まで高める時間の使い方」を解説した『東大式時間術』がある。株式会社カルペ・ディエムにて、講師として、お金と時間をかけない「省エネ」スタイルの勉強法を学生たちに伝えている。(Xアカウント:@Temma_Fusegawa)
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