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大手銀行に勤務する女性が、“将来安泰”のキャリアを捨ててアイドルに転身したワケ「地下アイドルでしょ?ってバカにされるけど」

自分の夢は「“今しかできないこと”なんや」

メガバンク時代

折原さんがオーディションに送った写真

「オーディションの募集要項を見てハッとしました。私はアイドルやヴォーカルには興味がなく、ただ歌える場所が欲しかったんですが、すべての募集要項に“年齢制限”があったんです。そこで気がついたんです。私のやりたいことは本当に“今しかできないこと”なんやって」  しかし、歌う道を選ぶということは——。  折原さんは、ここまで育ててくれて、メガバンクに就職した“今”を喜んでくれている家族を裏切ることになってしまうと思った。 「申し訳ない気持ちがありつつも、それでもやりたい!っていう気持ちが勝って。今までの人生、成功するかわからない道を選んだことがないから、不安で仕方がなかったです」  その不安が体調にもすぐ現れたという。 「通勤電車で急にクラっときたんです。それで降りたホームで『このままじゃダメになってしまう。死ぬ間際に後悔したくない』と強く思いました」

先が何も決まっていない状態でメガバンクを退職

 こうして退職を決意した折原さんは、退職届を提出したという。 「オーディションも受けておらず、先のことが何も決まっていない状態で退職届を出して、上司に『歌がやりたいから辞めます!』って伝えると、案の定『考え直せ』ということで、すぐには受理してもらえませんでした(笑)」  退職に向けた動きと並行して、今のグループのオーディションを受け、面接では「退職届を出して臨みました!」と意気込みを語った。 「今思えば、社長は逆にプレッシャーというか、そんなことを言われて怖かったかもしれませんけど(笑)」  職場にもようやく退職届を受理してもらえたそうだが「歌がやりたいなんて聞きたくないよー」と、冗談混じりに最後まで引き止められたそうだ。 「退職することも、歌の道を目指すことも、ブレーキをかけて欲しくないから、親や友人には最後まで相談しませんでしたね」

自分の選択が“正解”になるように前進あるのみ

ライブ写真

ライブ中の折原さん。撮影/木下マリ(X&Instagram:@_marikinoshita)

 様々なオーディションの中から現在の事務所に入りたいと思ったのは「ここならちゃんと歌わせてもらえる」と思ったからだと話す。 「私はアイドルとかバンドとかジャンルにこだわりは一切なくて。歌で大きなステージに立ちたい。挑戦させてもらえる環境が欲しかった。今の事務所は、自分の理想にいちばん近かったんです」  メガバンク勤務からアイドルに転身したことを面白おかしく言ってくる人も多いというが……。 「やっぱり、『地下アイドルでしょ?』ってバカにされることはありますけどね。確かに普通の人からしたら、理解できないと思う。私の選択が正解だったかどうかは、これからの私次第。“正解” にできるように頑張るのみです!」 <取材・文/吉沢さりぃ>
ライター兼底辺グラドルの二足のわらじ。著書に『最底辺グラドルの胸のうち』(イースト・プレス)、『現役底辺グラドルが暴露する グラビアアイドルのぶっちゃけ話』、『現役グラドルがカラダを張って体験してきました』(ともに彩図社)などがある。趣味は飲酒、箱根駅伝、少女漫画。X(旧Twitter):@sally_y0720
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