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「こんなの子供が乗れない」と販売を断られたことも…400万人の子供に愛される“幼児用二輪車”が日本に浸透したワケ

年間50回以上のイベントにこだわる理由

ストライダージャパン

2024年11月17日に千葉県の幕張メッセで開催された「ストライダーカップ2024 うみのステージ」。約600名のエントリーがあり、来場者数は過去最多の5932名に及んだ

 その後、口コミで徐々に広がっていき、現在では多くの正規販売店で販売されるように。日本国内では本家アメリカに次ぐ2番目の市場として成長し、子ども用ランニングバイクとしての地位を確立していった。  加えて、ストライダー関連のイベントもブランド認知やファンの醸成に大きく寄与した。2010年から取り組み始めたイベントは、最初は体育館で開催されていた自転車イベントの一角を借り、30名ほどの小さな規模からスタート。
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ストライダーレースでは「Ready set GO!」の合図で、一斉にスタートするのが特徴となっている

 その後、エントリー数が増えていくのにつれて、イベントの規模感も次第に大きくなっていく。今年でストライダー日本上陸15周年を迎えるが、週末は何かしらのイベントを開催しており、試乗会やレース、ファンイベントを含めると、その数は年間100回を超える。イベントにこだわる理由について、岡島さんは「イベントでしか味わえない体験価値や届けられない感動がある」と述べる。
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ストライダーキャンプの写真

「当初は、2歳の幼児が競い合うレースなんて成立しないと思っていました。ですが、試しにやってみたところ、ちゃんと成立したばかりか、子どもたちの達成感に満ちた表情や悔し涙にすごく感銘を受けたんです。それ以来、イベントにも注力するようになって、2010年からは『ストライダーカップ』と銘打って本格的にレースイベントを主催するようになりました。最近ではレース以外にも、子育て世代同士が集まって交流できるストライダーキャンプやストライダー どろん子フェスといったファン向けのコミュニティイベントも開催していますね」

レースイベントが家族旅行のきっかけに

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2021年から開催している「ストライダーどろん子フェス!!」の様子

 イベント自体は、参加者からのエントリーフィーのみが収益となるため、正直に言って採算が取れるわけではない。それでも、ブランド力の向上やストライダーの認知度アップにつながるからこそ、イベントの継続性を見出せるわけだ。さらに、ストライダーのイベントがあることで、それが家族で週末に出かける良いきっかけにもなっているという。
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雨の中で開催された「ストライダーみなかみ大会」の写真

「なかには、旅行を絡めて各地に遠征しながらレースイベントに参加する家族もいたりと、イベントはストライダーにとって欠かせない『ひとつのコンテンツ』になっているんです。なかでも思い出深かったのは、2011年に群馬県のみなかみで開催した『ストライダーカップ2011 第3戦 群馬みなかみラウンド』ですね。前日に大雨が降って、会場へ行く道が土砂崩れでて通れなくなるなど、トラブルが発生したんですが、イベント当日はほとんどキャンセルがなく無事に開催できて、雨が降る中子どもたちが本当に楽しそうに走ってくれたのが印象的でした」
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事故のリスクはゼロにできない
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1986年生まれ。立教大卒。ビジネス、旅行、イベント、カルチャーなど興味関心の湧く分野を中心に執筆活動を行う。社会のA面B面、メジャーからアンダーまで足を運び、現場で知ることを大切にしている

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