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「舌打ちをこらえるのに必死」“駅そば店員”が頭を悩ませる迷惑客。券売機に行列をつくるサラリーマンには「後ろ見て」

まさかの「犬を連れて」ご来店

犬を連れて来店 駅そばのなかでも筆者が働いているホーム店となると、食事済ませるまで電車1本単位で動いているお客も少なくない。中華そばを一口も食べないまま電車に飛び乗っていってしまったお客などがいるのもそのためだ。 「電車に乗るのに急いでいるから」という事情と駅そばの敷居の低さゆえか、マナー違反が頻発するのもホーム店の特徴といえる。 「食べ終えた丼をわずか30センチのところにある返却口に運ばない」「カウンターの上や床に食べ散らかしを残したまま」「食後の丼やコップに口を拭ったナプキンや爪楊枝を入れる」といった行為だ。  お客の手前、平然を装って対処しているが、内心は舌打ちをこらえるのに必死である。このようなマナー違反は一見のお客よりも常連に多く、食券購入から電車に乗るまでルーティン化しているのだろう。  また、これはマナー違反という範疇にすら入らないと思うが、筆者は一度、犬を連れて来店したお客に遭遇したことがある。  旅行に来たのであろう南米系と思しき家族連れだ。犬は大型だが介護をする犬種ではない。ホーム店は半分外みたいなものだからOKだとでも思ったのだろうか。犬はNGだと注意するや、交互にホームで犬の見張りをし、何度も店に出入りしながらそばを食べていた。

急ぐあまり応援グッズを忘れるファンも

 急いでいるお客が多いだけに、忘れ物も多いという点もホーム店の特徴といえるだろう。最も多いのが傘で、スマホ、上着、メガネなどが続く。中には家から持ってきた弁当や旅先で購入したお土産も見かけたこともある。  筆者が最も驚いた忘れ物が、明らかに某球団のファンと思しき男性が忘れた野球キャップだ。当日はその球団にとって大一番の試合が行われる予定で、彼もその足で球場に向かったはず。最も忘れてはいけないモノを忘れてしまった彼の心中察するに余りある。  わざと忘れ物をするわけでないので仕方がないという向きもあるが、雨が止んで使わなくなったビニール傘やカウンターの下に隠すように置かれた缶チューハイの空き缶などは明らかにわざと思わざるを得ないときもある。  いくら駅そばは敷居が低いといっても、ゴミ捨て場ではないのだ。 <文/ボニー・アイドル>
ライター。体験・潜入ルポ、B級グルメ、芸能・アイドル評などを中心に手掛ける。X(旧Twitter):@bonnieidol
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