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牛乳パックのリサイクルに“異様にこだわる”夫。臭いを気にして水洗いをした妻に「感謝どころかモラハラを行う」心理

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牛乳パックのリサイクルを強要する夫。妻が協力的ではないことに不満を爆発させ……

 DV・モラハラ加害者が、愛と配慮のある関係を作る力を身につけるための学びのコミュニティ「GADHA」を主宰しているえいなかと申します。コミュニティではさまざまなグチや悩みなども共有されるのですが、共通するものがたくさんあります。 「パートナーが紙パックのリサイクルに非協力的なんです。仕方ないから、いつも自分一人でやっています。少しくらい協力してくれたってよさそうなものなのに……」(Aさん)  今回はこのセリフの背景に迫りたいと思います。  最近、パートナーとの喧嘩が増えてきたことがきっかけでGADHAに参加しているAさん。インターネット検索で偶然見つけたGADHAのページに記載されている内容が、これまでの自分によくあてはまり、とても驚いたと言います。思い切ってSlackにも参加し、今は自分の加害報告や変容報告を重ねながら、愚痴や弱音もこぼしつつ、パートナーとのコミュニケーションを日々試行錯誤しているそうです。  そんなAさんの紙パックリサイクルをめぐる状況について、僕はもう少し詳しく話を聞いてみると、Aさんは次のように教えてくれました。 「うちの家族は皆、牛乳や野菜ジュースが好きで、よく紙パック飲料を購入するんです。だからこそ、少しでも環境負荷を軽減できるように、自分としてはリサイクルには積極的に協力していきたいと考えているのですが、パートナーはリサイクルには消極的で。可燃ごみとして捨てようとしていたのを自分が止めることもしょっちゅうです。  だから、家でリサイクル関係のことは結局、自分が一人で何もかもやっている状態なんです。子どももまだ小さくて手伝いを頼めないし……。リサイクルは自分のちょっとした心がけでできることなのですから、異常気象や地球温暖化の叫ばれる昨今、もう少し協力してくれたって罰は当たらないと思うのですが……。  先日も、次のようなやり取りがあって、パートナーと口論になってしまったんです」  ある日、Aさんが仕事で夜遅くに疲れて帰宅したら、偶然、パートナーが牛乳パックをゆすいでいる場面を目撃したそうです。Aさんは、ついにパートナーが協力してくれる気になってくれたと嬉しくなったのですが、よく見ると、もう自分がゆすいで置いてあった牛乳パックをもう一度洗い直しているところでした。  がっかりしたAさんは、パートナーと次のように口論になったと教えてくれました。

「環境への配慮は常識」とこだわりを押し付ける夫

 この会話には複数の要素があるので、番号で区切ることにします。 【1】 Aさん:「その牛乳パックは、もうゆすいであったんだけど」 パートナーBさん(以下、Bさん):「臭いがしていたから、気になって」 Aさん:「文句があるなら、自分でやってよ。リサイクル関係のことをしているのはいつもこちらばかりなんだからさ」 Bさん:「だから、自分でしているじゃない!言うとケンカになると思ったから、何も言わずにしていたのに……」 【2】 Aさん:「飲み終わった紙パックをゆすぐくらいは、協力してくれてもいいんじゃない?」 Bさん:「だから、私は申し訳ないけれど、紙パックは、正直、今は可燃ごみで出したらいいと思っている。子どもが小さくて色々手のかかる時期なんだし……。あなたが『リサイクルが大事』というから、あなたがリサイクルに持っていくまで『邪魔だな』と思っても、文句も言わずに黙って協力しているのに。さらに私がゆすぐのもしないといけないわけ?」 【3】 Aさん:「今時、環境に配慮してリサイクルに協力するのは常識でしょ? リサイクルしないなんてありえない!」 Bさん:「こうやってケンカになるから普段は言わないのに……。自分の価値観を一方的に押し付けてくるのはやめて!!」  Aさんは、この時点で「しまった!」と思ったそうですが、もはや後の祭りだったそうです。    今回のAさんとパートナーとの口論の原因は、どこにあったのでしょうか?  大きくは、①物理的な原因と、②コミュニケーション上の原因が考えられます。  1つ目の物理的な原因は明快です。Aさんのゆすいでおいた牛乳パックからパートナーが気になるレベルの臭いが発生していたことです。  2つ目の、コミュニケーション上の主な原因としては、Aさんが「紙パックが臭わないようにしてほしい」というBさんに対して、それを受け止めたり、寄り添ったりせず、唐突に論点をすり替えたこと【2】、  そして、相手を悪者にし(=Aさん自身の行為を正当化し)攻撃することで自分の弱さ、不完全さ、傷つきから目を背け【2】、さらに、Aさん自身のニーズ(パートナーが紙パックリサイクルに協力してほしい)に対するケアの強要【3】も始めてしまったこと  が考えられます。
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リサイクルのためではなく、「臭いから」とすすいだことに対する不満
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DV・モラハラなど、人を傷つけておきながら自分は悪くないと考える「悪意のない加害者」の変容を目指すコミュニティ「GADHA」代表。自身もDV・モラハラ加害を行い、妻と離婚の危機を迎えた経験を持つ。加害者としての自覚を持ってカウンセリングを受け、自身もさまざまな関連知識を学習し、妻との気遣いあえる関係を再構築した。現在はそこで得られた知識を加害者変容理論としてまとめ、多くの加害者に届け、被害者が減ることを目指し活動中。大切な人を大切にする方法は学べる、人は変われると信じています。賛同下さる方は、ぜひGADHAの当事者会やプログラムにご参加ください。ツイッター:えいなか

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