恋愛・結婚

“手取り19万円”から毎月養育費6万円を捻出「元妻が再婚して息子と会えなくなったのに払うのは…」46歳バツイチ男性の苦悩

勝手に減額したら、財産を差し押さえられる?

ところで元妻は勝手に養育費を減らされたのに、健也さんへ督促の連絡をしなかったのでしょうか? 健也さんは「いや何も……」と答えます。上記の統計によると養育費の取り決めをしたのは全体の46%、約束を書面化したのは35%、強制執行が可能な書面に残したのは28%です。強制執行というのは元夫が約束した養育費を支払わなかった場合、元夫の財産を差し押さえることができるという意味です。 健也さんが離婚時、元妻と交わしたのは便箋1ページのみ。そこには健也さんが「毎月6万の養育費、責任をもって払います」と手書きをし、名前を漢字、フルネームで記入しただけ。これは強制力のある書面ではないので、現在、養育費を滞納中ですが、今のところ、給料を差し押さえられる心配はありません。健也さんは「今さら過去の不足を請求されても……だったら3万円ずつでも払っていければと思います」と言います。 このような場合、どのように養子縁組の有無を調べれば良いのでしょうか? 例えば、元妻の最新の戸籍には、そのことは書かれていますが、元夫の立場で元妻の戸籍謄本を入手するのは簡単ではありません。健也さんの場合、元妻の戸籍を辿るのに3つの書類を手に入れる必要がありました。健也さんの本籍地は出生から現在までA市のままです。 まず第一に必要なのは元妻と結婚している際の除籍謄本です。夫婦が離婚する場合、大半のケースでは妻が夫の戸籍から抜け、新しい戸籍を作ります。具体的には離婚届に新戸籍の所在を記入します。

息子の除籍謄本と“最新の”戸籍謄本も必要に

筆者が「覚えていますか?」と尋ねると、健也さんは首を振ります。そこで元妻と結婚している間の除籍謄本を手に入れるように頼みました。すでに離婚しているため、元妻の戸籍は抹消されているため、戸籍謄本ではなく「除籍謄本」です。しかし、戸籍の筆頭者はあくまで健也さん。自分自身の戸籍謄本なので役所は難なく発行してくれました。除籍謄本には「次、どこに本籍地を定めたのか」が書かれています。そのため、元妻が離婚後、B市に本籍を移したことが分かりました。 第二に必要なのは離婚直後の息子さんの除籍謄本です。筆者は「Bの市役所で離婚直後の息子さんの除籍謄本を申請してくださいと頼みました。夫婦は離婚したら他人です。しかし、親子は離婚しても親子です。そこで元妻ではなく息子さんの名前で申請するように言い添えました。 元妻が再婚したことは前もって把握しており、この戸籍が抹消され、除籍謄本の状態だということは分かっていました。大事なのは「次、どこに本籍地を定めたのか」ですが、それがC市だと書かれていました。これが再婚相手の本籍地です。 第三に必要なのは息子さんの“最新の”戸籍謄本です。「Cの市役所で戸籍謄本を申請してください」と再度頼みました。さすがにA市からC市へ行くのは負担が大きいので、今回は郵送で取り寄せました。そして無事、戸籍謄本が返送されてきたのですが、そこにははっきりと書かれていました。「再婚相手と息子さんが養子縁組を結んだこと」が。
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勇気を振り絞り、元妻にLINEした結果…
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1980年生まれ。国学院大学卒。行政書士・FP。男の離婚に特化し開業。6年目で相談7千件、「離婚サポートnet」会員は6千人を突破。「ノンストップ」(フジテレビ)、「ホンマでっかTV」(フジテレビ)、「市民のミカタ」などに出演。著書は「男のための最強離婚術」(7刷)「男の離婚」(4刷)など11冊。X:@yukihiko55 ブログ:法律でメシを食う若造のブログ Facebook:yukihiko.tsuyuki
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