恋愛・結婚

“子供のために”再婚、3度の離婚で気づいた「自分のわがまま」

 もしもあの時こうしていれば……。恋愛や結婚、就職、転職、金銭関係など、過去を振り返ってみれば、誰でも後悔のひとつやふたつはあるはずだ。やり直しはきかない。我々は“経験”から学び、今を生きねばならないのである。では、市井の人々が胸に抱える「人生最大の失敗・後悔」とは? そして、その出来事から得た教訓とは? 何かしら参考になる部分もあるかもしれない——。
夫婦喧嘩に失望する子ども

写真はイメージです。以下同

 近年、3組に1組の夫婦が離婚しているといわれる日本。母子家庭は120万世帯以上にものぼる。「子どものために」と考えた再婚で後悔し続けることになってしまった女性がいる。 「パパいな~い」  息子が保育園に通っていた頃、同じクラスの友達からこんな言葉を言われているところを見かけ、再婚を考えるようになった田中信子さん(仮名・50代)。しかしその結果、子どもを散々振り回してしまったという。

再婚相手も子連れだったが…

「2度目の結婚は、子連れの方だったので分かりあえるはず……と思っていましたが、蓋を開けてみると、自分の子どもしか可愛がらない人でした」  ある日、思いもよらない光景を目の当たりにする。 「旦那の子どもが私の子どもをいじめていたんです。仲良く遊んでいると思ってこっそり子ども部屋を覗いてしまったのですが、私の子どもが命令されていて」  結局、3か月で離婚することになったという。

3度目の失敗を経て気づいた「自分のわがまま」

 それから5年後、田中さんに新たな縁が訪れる。しかし……。 「3度目の結婚相手は初婚でした。前回のようなことはないと思っていたのですが、今度は相手の家族が初婚ではない私を攻撃してきたんです」  そして、再婚は本当に子どものためなのか自分自身に疑問を抱くようになった田中さん。 「再婚は『子どものため』と考えていたはずの私でしたが、本当に子どものためだったのだろうか……そう思うようになったのは、3度の失敗を経た後のことです」  田中さんは「子どもが不憫だったから」「子どもには普通の家庭が幸せだろうから」「子どもにきょうだいがいるほうが良いと思ったから」と、子どもを理由の中心にしながらも、それはたんなる「自分のわがまま」だったと捉えるようになった。 「再婚は、私自身に足りない何かを埋めるための言い訳だったのではないかと、今は考えています」
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“幸せな家庭”に憧れていた
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2016年よりライター活動を開始。出版社にて書籍コーディネーターなども経験。趣味は読書、ミュージカル、舞台鑑賞、スポーツ観戦、カフェ。

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