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「元セクシー女優」を名乗る女性が“急増したワケ”。過激な肩書きが“最強の武器”になる理由

 元セクシー女優でフリーライターの「たかなし亜妖」がお届けする連載コラム。2016年に「ほかにやることがなかったから」という理由でセクシー女優デビュー。女優生活2年半で引退を決意し、ライターへ転向。現在は鳥越アズーリFM「たかなし亜妖のモザイクストリート」で冠番組を持つなど、メディア出演も積極的に行っている。

元○○(夜職)の肩書きが強いワケ

たかなし亜妖さん

元セクシー女優で現在はフリーライターの「たかなし亜妖」

 元セクシー女優に限らず、元水商売、元地下アイドル、元グラビアという「元」を名乗る人々が増えたように思う。筆者である私も例に漏れず「元○○」の1人で、売れなかった過去を自虐しながら、こうしてコラムを書かせてもらっている。  一見して元セクシー女優は全く生かせない肩書きに思える。一般企業に入るなら全然使えない……というかむしろ黙っていた方が良いに決まっている経歴だが、使い方次第ではどうにでもなるようだ。  今の時代は少々、“肩書き勝負”なところが否めない。珍しい過去を持つ人が増えすぎているのか、母数が少ないであろうフィールド出身なほど、ユーザーの食いつきが良い傾向にある。以前に比べると夜職やジェンダーに関する問題、職業などへの偏見も減ったため、「風変わりな人ほど勝つ時代になった」といえるだろう。  代表的な例を挙げるなら、若者を中心に支持される某少年院出身アイドル。昔なら「元不良を名乗る人間をメディアに出すのか」と激しく叩かれただろうが、彼女は今やテレビに出演し、爆発的なフォロワー数を誇る有名人。もちろん本人の努力や美しいルックスも人気の秘訣だけれど、それらを超越する肩書きのインパクトも大きく関係しているだろう。  だからこそ「元セクシー女優」は、ぶっちゃけ“使える”。ただビデオに出ていただけではなく「今現在、何をしているか?」が注目されるポイントで、前職に全く関係がない活動や、ギャップを狙った意外さもユーザーにはウケやすい。

特に夜職経験者が強い理由

 元夜職系の肩書きが注目される理由としては、「珍しいから」以外にもある。実は元セクシー女優や元ホストの発信に群がる人々の多くが、業界未経験者なのだ。  この世に生きる人間のほとんどが、アンダーグラウンドの商売を経験せずに生涯を終える。みんな批判しつつも結局は気になるから、つい見てしまうのだろう。  人気商売系の元○○界隈は、近くにいれば「近寄りたくない人物」かもしれないが、遠目で見る分には面白い。やはり人々は、“何かの裏側”を覗きたい生き物なのだ。嫌悪しつつも密かに興味を持っていれば、怖いもの見たさ的な感覚でうっかり検索してしまう。  実際にYouTubeやXなどでも、かつての肩書きを名乗るアカウントがバズっている。「前線から退いたのなら、業界の暴露話が聞けるのではないか?」というユーザーの期待も集まりやすいため、一種のエンターテインメントとして成り立ちやすい。  もう元○○は飽和状態のように思えるけど、本人の活動次第では立派な武器となる。
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過去の肩書きを利用するのはセコいこと?
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元セクシー女優のフリーライター。2016年に女優デビュー後、2018年半ばに引退。ソーシャルゲームのシナリオライターを経て、フリーランスへと独立。WEBコラムから作品レビュー、同人作品やセクシービデオの脚本などあらゆる方面で活躍中。
X(旧Twitter):@takanashiaaya

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