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特殊清掃業者が明かす「部屋が汚い人の共通点」。“一般家庭”でもマネできる掃除テクニックを伝授

 特殊清掃作業で使われる技術は、実は一般の家庭においても役に立つことが多い。なぜならほとんどの現場が“人が住んでいた家”だからだ。一体どんな洗剤がいいのか、どんな掃除用具がいいのか……。特殊清掃業者だからこそ教えられる掃除のテクニックがある。  都内を中心にさまざまな現場で特殊清掃を手がけるブルークリーン株式会社で働きながら、特殊清掃の実態を伝える登録者5万3000人以上のYouTubeチャンネル「特殊清掃チャンネル」を運営している鈴木亮太さんに掃除の技術について話を聞いた。

臭いや汚れの“正体”は何か?

キッチン

依頼で訪れた現場の汚れたキッチン。画像提供:ブルークリーン(以下同)

 掃除をするにあたって、どの道具を使ってどのようなやり方で掃除をするのかよりも、清掃に対する“考え方”が大事だという。 「掃除とは、大きくいえば、強い臭いと汚れを落とすことだと思います。基本としては、その臭いや汚れの“正体”は何だろうと考えるところから始めるんです。  例えば、血液や体液は酸性なので、アルカリ性の薬剤を使用すれば分解されます。キッチンの油のぬるぬるは酸性だから、アルカリ性の薬剤を使う。石鹸などの汚れはアルカリ性だから酸性の薬剤を使う。このように汚れというものを酸性かアルカリ性かで考えると、掃除がかなり楽になります。酸性かアルカリ性か中性か酵素系か、洗剤のパッケージをみていくと、同じ成分のものを重複して買うこともなくなります」

清掃よりも“汚れにくい環境”が大事

エアコンの清掃

エアコンの清掃

 ネットで掃除の方法を調べると、その方法はいろいろと出てくるが、実は清掃よりも“汚れにくい環境を作る”というのが重要になってくる。 「温度や湿度の管理をすることです。気温が30度くらいで湿度も60%を超えてくると、いろんな微生物が活発になってカビが生えやすい部屋になってしまいます。カビは病気の原因にもなるので、絶対に発生させたくありません。夏は冷房を使いたくなるのですが、自分は冷房ではなく除湿を使うようにしています」  エアコンの冷房と除湿は電気代がほとんど変わらないため、どちらか使うのであれば除湿がおすすめだという。 「とにかく湿気がない環境が大事です。冬も乾燥しちゃうので加湿器をつけたくなりますが、寝る時だけに留めるなど工夫をしましょう。エアコンの中にカビが生えていると、カビ菌を部屋にばら撒くことになるので、定期的なエアコン洗浄も欠かせません。スーパーでエアコンクリーナーが売っているので、エアコンを使わなくなるタイミングと使い始めるタイミングで清掃したほうがいいと思います。あと、エアコンから外につながっている排水用のドレンホースの清掃も毎年したほうがいいです。汚れが溜まっていると、エアコン内のカビの発生に繋がります」
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洗剤を使って落ちない汚れは…
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(公社)日本ペストコントロール協会認証技能師。1992年、東京都大田区生まれ。地元の進学校を卒業後、様々な業種を経験し、孤独死・災害現場復旧のリーディングカンパニーである「ブルークリーン」の創業に参画。これまで官公庁から五つ星ホテルまで、さまざまな取引先から依頼を受け、現場作業を実施した経験を基に、YouTubeチャンネル「BLUE CLEAN【公式】」にて特殊清掃現場のリアルを配信中!趣味はプロレス観戦
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