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「まだ居座っている」石破首相続投の裏側にある自民党の意志とは/倉山満の政局速報

先の参院選で自公連立与党は過半数を割り込んだにもかかわらず、石破首相はなおもその座に居座り続けている。選挙で示された民意とは、いったい何だったのか。憲政史研究家の倉山満氏が、各党の勝敗を分けた要因と、日本政治の今後を分析する(以下、倉山満氏による寄稿)。
自民党 参院選2025

画像は「自民党の第27回参議院選挙特設サイト」より

常識を超えた石破首相の居座り

石破茂首相、まだ居座っている。 自分が掲げた目標議席を下回ったら、「開票終了を待たずに退陣表明」が常識だが、常識を超えた事態が起きている。 石破首相は続投会見での退陣理由として「あした地震が起きるかもしれない」と噴飯ものの言い訳をして呆れられたが、「アメリカとの関税交渉がある」は建前として成立している。確かに、辞めると決まっている首相と交渉しても意味が無い。 ところがトランプ大統領は、あっという間に関税交渉を妥結させた。「石破よ、さっさとやめてくれ」と言わんばかりに。

自民党の意志は「時間稼ぎ」

石破首相の退陣報道は大手紙から出されているが、石破首相自身は打ち消している。石破首相自身はムキになっているかのようだが、関係ない。自民党は今回の参議院のみならず、そもそも衆議院でも過半数を失っているのだ。 戦後政治の定番である、「自民党総裁=総理大臣」の図式は崩れ去った。石破首相が辞めたくないと言い張っても、力づくで降ろされうる状況なのだ。 では、それでもなお最大勢力の自民党の意志はどうか。 ズバリ、「時間稼ぎ」と読む。

よほどのことが無い限り負けない選挙だった

ここで流れを読むために、参議院選挙を振り返ってみよう。多くの人は参政党に眼を奪われているが、もっと大きな潮流がある。 選挙前、自民党は114議席(非改選62)で連立与党の公明党は27(同13)。だから、自公で50議席あれば過半数を維持できる、よほどのことが無い限り負けない選挙だった。そのよほどのことが起きた。 「火事は最初の5分間、選挙は最後の5分間」と言うが、89年参議院選挙で土井たか子は3年前に自民党が衆参同日選挙で大勝していたにもかかわらず、1回の選挙でねじれ国会に追いやった。何が起きるかわからないのが選挙だ。 今回、自民党は39議席獲得で新勢力は101。公明党は8議席獲得で新勢力は21。与党は248議席中、122の過半数割れとなった。
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「消費減税を言った政党が勝ったが、ただ減税を言えば良い訳ではない」が、民意だった
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皇室史家。憲政史研究家。1973年、香川県生まれ。救国シンクタンク理事長兼所長。中央大学文学部史学科を卒業後、同大学院博士前期課程修了。在学中から’15年まで、国士舘大学日本政教研究所非常勤職員を務める。現在は、「倉山塾」塾長、ネット放送局「チャンネルくらら」などを主宰。著書に『13歳からの「くにまもり」』など多数。ベストセラー「嘘だらけシリーズ」の最新作『噓だらけの日本近世史』が2月28日より発売

噓だらけの日本近世史 噓だらけの日本近世史

通説を覆す「嘘だらけ」シリーズ日本史編、待望の第三弾。


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