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中道分裂が生む「マトモな二つ目の選択肢」/倉山満

中道改革連合が分裂へ向かう流れが決定的となった。立憲民主党、公明党との3党合流構想は正式に断念され、公明党のみの先行合流案も支持を広げられずに頓挫。こうした政界再編の行方について、憲政史研究家の倉山満氏は「憲政浄化の絶好機」だとして期待を寄せる(以下、倉山満氏による寄稿)。
国民民主党代表選の玉木雄一郎氏

国民民主党代表選で3選を果たした玉木代表。野党再編を巡っては「安易な合従連衡には与しない」との考えを示し、「国民民主党を大きくすることが近道だ」と強調した 写真/産経新聞社

中道改革連合が分裂は憲政浄化の絶好機

今年1月に結成された、中道改革連合が分裂の見込みとなった。2月の総選挙で記録的惨敗。既に事実上の壊滅状態にあったが、“破産手続き”の段階だ。 これは憲政浄化の絶好機だ。 1955年以来、日本は1.5大政党制だった。これを55年体制と呼ぶ。政権与党は、ほとんどの期間で自由民主党。野党になった時期をすべて合わせても5年にならない。総理大臣とは、自民党総裁のことであり、自民党の派閥抗争こそが実質的な政治であった。そして政策は官僚の下請けで良しとしてきた。 一方の野党第一党は、社会党、民主党、民進党、立憲民主党、そして中道。見事なまでにパヨク政党が占めてきた。二つ目の選択肢たりえないので0.5党である。 一時的に新進党が野党第一党を占めたが、すぐに空中分解。希望の党も国政進出すらならなかった。 結党当時、自民党の消費期限は20年と言われた。実際に20年で切れた。その後は残骸である。二つ目の選択肢があまりにも酷すぎたので、消去法で生き残ってきたにすぎない。 最近でも皇室典範が「5年も時間があって、この程度の法案しか作れないのか」と批判されたが、それでも「野田佳彦よりはマシ。野田の言う通りにしたら皇室が亡ぶ」で押し切った。確かに野田元首相の言う通りにしたら皇室が亡ぶ。しかし、「野田よりマシ」な政治で我慢しなければならないのか? つまり、マトモな選択肢が一つしかないと、無限大に腐敗して、遂にはゼロとなるのである。

一つしかないとファシズムつまり一国一党である

最近、「高市さんを信じてついていきさえすればいい。高市さんの悪口を言う奴の悪口を言っていれば幸せになれる」との風潮がある。安倍晋三内閣でもそういう傾向があったが、それが高市早苗に代わっただけの二番煎じだ。 そういう連中に「じゃあ、ファシズムやるか?」と聞いたら、「そこまでは」と怯む。そんなに高市自民党の批判を許さないなら、批判されないだけの立派なファシズムをやれば良いのに、そんな度胸はない。そもそもファシズムの意味、わかっていないようだ。何となく、「悪い奴」くらいの理解で。 ここで有権者は選挙をやる意味を考えた方がいい。選挙をやるからには、最低限二つ以上の選択肢が必要だ。三つ以上あっても良いが、それ以上に大事なのは、二つ目の選択肢である。一つしかないとファシズムつまり一国一党である。中国共産党や朝鮮労働党が典型的なファシズムである。 ちなみに、中国や北朝鮮にも野党がある。役割は、与党に協力すること。これでは、野党ではない。 自民党も疑似ファシズムと呼ばれる。一党優位で選挙を何回やっても、必ず勝つ。そして野党が自民党の政権運営に協力的だからだ。 安倍内閣以来、自民党は維新と国民を「分割統治」してきた。1.5大政党制が「保守っぽい自民党vs.パヨク政党」の構図で不毛な対立を繰り広げ、維新か国民のどちらかを味方につけた自民が国会運営を乗り切る、を繰り返してきた。
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中道が分裂により、野党第一党を明け渡すのが確実である
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憲政史研究家。1973年、香川県生まれ。救国シンクタンク理事長兼所長。中央大学文学部史学科を卒業後、同大学院博士前期課程修了。在学中から’15年まで、国士舘大学日本政教研究所非常勤職員を務める。現在は、「倉山塾」塾長、ネット放送局「チャンネルくらら」などを主宰。著書に『13歳からの「くにまもり」』など多数。トランプ再来で揺れる世界を見通すための新章を追加したベストセラー『増補版 嘘だらけの日米近現代史』(扶桑社新書)が発売中

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