「超売り手市場」なのに転職できない営業職。「受からない人」の致命的ミスをプロが解説
世はまさに「大・人手不足時代」。優秀な人材を得ようと転職市場が活況になるなか、特に“超売り手市場”になっているのが営業職だ。
しかし、多くの企業が営業人材を求める一方で、転職活動が思うように進まなかったり、転職後にミスマッチを感じて早々に退職したり、“不幸な転職”に陥るケースが後を絶たない。営業とはいわば「売り込むプロ」だ。しかし、転職という「自分を売り込む場所」で失敗してしまうのは、どんな原因があるのか?
そこで今回は、「セールスエバンジェリスト」として効果的な営業ノウハウの伝導を行う今井晶也氏と、営業職の転職支援を手掛け『営業の転職』という著書を上梓した梅田翔五氏による対談を実施。転職におけるリアルな課題から、年収1,000万円を目指す方法、さらにAI時代における“最強の営業”とはどんな人材なのか?……という話題まで、様々なテーマについて語ってもらった。
——営業職は超売り手市場というデータがありますが、それでも転職がうまくいかない人にはどんな問題点がありますか?
梅田 大きく2つの失敗パターンがあると考えています。1つ目は、書類や面接で「受からない」パターン。もう1つは、内定は出るけれど「どこに行っていいか分からない」「入社した会社が合わなかった」というパターンです。これらはまったく別の問題です。
まず「受からない」のは、現代において営業スキルの格差が顕著になっていることが原因です。この10年でAIやウェブマーケティングが発達し、顧客が簡単に精度の高い情報を得られるようになりました。顧客との情報格差がなくなった中で、ただルーティンで商談に出て機能説明をするだけの営業では成果が出づらく、企業側もそうした営業を減らす流れがあります。AIを使いこなし、情報格差が少ない時代にどう顧客の興味を惹くか……という工夫ができるスキルがなければ、そもそも面接に受かりづらくなっているんです。
一方で、「自分に合う転職先が見つけられない」「入社後に失敗した」という問題は、企業の情報が多すぎて「選ぶこと」の難易度が非常に上がっているのが原因です。求人を探すのは簡単ですが、「自分にとってどこがいいのか?」という選別が難しい。これはいわゆる自己分析、つまり自分の価値観やスキルの棚卸しができていないことが、そもそもの原因です。
今井 私は転職経験がなくファーストキャリアがセレブリックスなので、「採用する側」として得た経験や、弊社のシンクタンク「セレブリックス営業総合研究所」での調査から見えた観点でお話しします。そのうえで不幸な転職に陥る問題の中心には、「営業」という言葉の概念が広すぎることがあると思います。
あなたがやっていた営業は、「直販」なのか「パートナー営業」なのか。「提案型」なのか「即決型」なのか……それぞれで使う“筋肉”はまったく違います。つまり、自分の持っているスキルが何なのかを自分自身がわかっていない。それを見誤って転職するから、転職先で活躍できないという問題が生まれます。
梅田 年収が上がったり、知名度のある会社に転職できたりしても、成果が出なければ結局は不幸になるだけ。書籍の中でも「営業が幸せになるためには成果から逃れられない」と書きましたが、成果が出ないことこそが不幸の源泉だと考えています。
——あとは、入社後に「社内の雰囲気が合わなかった」という失敗もある気がします。
梅田 たしかに早期離職してしまう人は、カルチャーミスマッチや上司とのコミュニケーションなど対人関係の問題が多いように感じますね。ただ、入社して1年経っても成果が出ず中長期的に苦しむ人は、やっぱり成果の問題が大きいんです。
今井 長期的に見ると、成果が出ている人は上司や同僚、顧客からも頼られ、人間関係は良好になります。逆に成果が出ていないと、顧客から疎まれ、上司から詰められ、同僚から馬鹿にされる。人間関係の悪循環の中心に「成果」があるとも言えます。もちろん、根本的なカルチャーマッチの問題はありますが。
梅田 それに、会社側の期待値と実態に差があることも問題になりますよね。上司や経営者はだいたい「半年以内には成果を出してほしい」という期待値を持っている一方で、商材にもよりますが、やはり結果が出るまでに1年~2年かかることも多い。この期待値と実態に乖離があるのが一つのポイントです。
——そうした期待値のすり合わせは、面接の段階で行ったほうがいい?
梅田 実際には面接でそこが論点になることは少ないですね。また、ベンチャー企業などでは「生存者バイアス」(失敗を見ずに成功体験だけで判断してしまう思い込み)が働くことがあります。経営者や創業メンバーのような“メンタルマッチョ”な人たちは、「自分は業界未経験でも半年で成果を出した」という成功体験から、同じようにできると思い込んでいるんです。
その結果、未経験者を採用しては、成果が出ずに辞めていくということが起こりがちです。創業メンバーの期待値が高すぎる問題は、特にベンチャーでよく見られますね。

今井晶也氏(右)と梅田翔五氏(左)。2人はともに営業支援会社セレブリックスに所属
「自分が持つスキルがわからない」問題

梅田氏はセレブリックス内でキャリア&リクルーティング事業本部の部長を務め、これまでに約2000人を支援してきた
経営者や上司との「期待値」のギャップ
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