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おしっこを我慢するとき、判断力が向上する

― 世界の[トンデモ研究論文]大集合(3) ―  僭越ながら、どうだろう?と思ってしまう研究結果もある。  アメリカの心理学学術誌『サイコロジカル・サイエンス』に掲載されたオランダ・トウェンテ大学の心理学者による論文。「おしっこを我慢するとき、判断力が向上する」という研究結果から、「高額な買い物は、水を飲んでから」という行動指南を我々に与えてくれている。  なんでも、人間の判断力には衝動的な行動をコントロールする脳の機能が深く関与していて、その脳の部分は尿意を我慢するときにも活性化するんだとか。つまり、おしっこを我慢しているときには、ほかの衝動的行動も同時に抑制されるということ。こうした体の神秘は興味深いが、そう言われなくても、おしっこを我慢しているときは、何をおいてもトイレに行きたい。で、スッキリしたら、勢い、衝動買いとかしちゃったりもしそうなのである。 ◆エロいことの予想は当たる  また、アメリカ・コーネル大学の名誉教授である心理学者が行ったのは、大学生1000人にセックス画像と何も描かれていない画像とをランダムに見せて、次にどちらの画像が出るかを当ててもらうという実験。セックス画像が現れるのが的中する確率は、統計上、50%のはずなのに53・1%。このデータをもって「人間はポルノのことだと予知能力が上がる」という発見として伝えられたが……。AVのジャケ写で「これは!?」といった予想は一切当たらない。 「コンドーム購入行動に及ぼす羞恥感情およびその発生因の影響」(社会心理学研究第25巻第1号掲載)の、「男女ともコンドームの購入には気恥ずかしさがある」という結論にいたっては、「そりゃそうだ」と言うしかない。が、見れば調査対象の平均年齢は19・95歳。「(店で)どのように振る舞ったらよいかわからない」というのは我々も来た道。女のコの「コンドームを買うなんて私らしくない」という自己イメージ不一致の強さは、ちゃんと汲み取ってあげなくてはと、思ったりもするのだ。 取材・文/田山奈津子 古澤誠一郎(オフィス・チタン)牧 沙織 鈴木靖子(本誌)
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