日本のお年寄りが一番投資上手だった
◆マネーな人々 今週の銭格言
【選者】人気ブログ「金融日記」管理人 藤沢数希氏
欧州の債務問題に端を発した世界景気の先行き不安と世界的な株安で、6月4日、TOPIXはバブル崩壊後最安値を更新し、約28年ぶりの低水準まで下落した。過去を振り返ると、一体、何に投資をすればよかったのだろうか?
◆日本のお年寄りが一番投資上手だった。一番クソだったのはゴールドマン・サックス
この原稿を書いている時点で、日本株は9週連続の下落となり、これは’92年以来、20年ぶりの記録になった。また、米雇用統計が思ったほどよくなく、米国の株式市場も下落している。米国の失業率は依然として8.2%もあるのだ。フェイスブックのIPOは、株価上昇への起爆剤になるかと思われたが、蓋を開けてみれば公開日が最高値という大ガッカリとなった。
欧州も、スペインの銀行の不良債権問題などで先行きは暗い。ユーロは円に対して下がり続けている。そして、世界的に株安が進むなか、比較的に安全資産とされる円が買われているのだ。
それでは今回は、過去5年間ほどの長期で見ると、何に投資するのがよかったのか調べてみよう。
下のチャートは、それぞれの資産に「5年前に100万円を投資したら、現在いくらになっているか」を表したものだ。
⇒【チャート】https://nikkan-spa.jp/230624/money
一番最悪だったのは、金融のプロ中のプロのゴールドマン・サックス(GS)などの投資銀行に投資することだった。彼らは、さんざん金融市場で大切なお金をなくしてくれたので、5年前の100万円は、現在では3分の1ほどになっている。GSは、財政赤字をGDP比で3%以下に抑えるなどのユーロ加盟条件をギリシャが満たすために、国家レベルで粉飾決算するのを助けて大いに手数料を稼いだが、それでもほかがダメだったようだ。
【後編】に続く⇒https://nikkan-spa.jp/230625
5年前に100万円を投資していたら…非常に賢明な投資をしたのは日本のお年寄り!?
【藤沢数希氏】
欧米の研究機関にて計算科学、理論物理学の分野で博士号を取得。その後、外資系投資銀行に転身。主宰するブログ「金融日記」は月間100万PV、ツイッターのフォロワーは6万人に及ぶ。最新刊『「反原発」の不都合な真実』(新潮新書)が発売中
― 日本のお年寄りが一番投資上手だった【1】 ―物理学研究者、投資銀行クオンツ・トレーダー職等を経て、作家・投資家。香港在住。著書に『外資系金融の終わり』『僕は愛を証明しようと思う』『コスパで考える学歴攻略法』などがある
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