更新日:2012年07月01日 09:09
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【生活保護】申請門前払い“水際作戦”で用いられる3つのパターン

芸人親族の生活保護「不正受給」疑惑でワイドショーが賑わった。まるで不正受給の横行で自治体財政が逼迫しているかのようなイメージが植えつけられているが、その総額は全体の0.38%。その一方で、「受給資格があるのにもらえない」という大きな問題があった!! ◆ 「働けない人が対象」という誤解
生活保護

稲葉 剛氏

 生活保護法に詳しくない人が役所に行くと、あれこれ言いくるめられて申請書をもらえず、ただの「相談」として処理されてしまう場合が多い。路上生活者などに対する支援を行っている「自立生活サポートセンター・もやい」の稲葉剛代表理事は、申請させない「水際作戦」の主要3パターンについて次のように解説する。「1つ目は、『住まいがないので受けられません』というもの。これは路上生活者などに対して使われます。これは誤解で、住民票がなくても生活保護は申請できます。  2つ目は『あなたは働けるから受けられません』。この間の報道では“生活保護は働けない人が対象”という誤解を生む表現が使われていますが、仕事が見つからなくて働けない失業状態であれば生活保護を受けられます。ところが役所の窓口ではこのことを説明せずに『働けるんだからハローワークに行ってもうちょっと頑張りなさい』と追い返してしまう。  3つ目は『家族に養ってもらいなさい』。’06年の日弁連の調査では、違法な『水際作戦』の可能性が高いと判断された118件のうち、この対応が最多の49件でした。ですが、扶養義務者による扶養は生活保護の要件ではないし、申請させない理由にはなりません」 【稲葉 剛氏】 ’01年にNPO法人自立生活サポートセンター・もやいを設立。現在も代表理事を務める。著書に『ハウジング・プア』(山吹書店)など 取材・文・撮影/尾原 宏之 志葉 玲  横田 一 写真/佐藤 慧 ― 本当は[厳しい/冷たい]日本の生活保護制度【6】 ―
ハウジング・プア

貧困層居住問題!

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