貧困ビジネスの必要悪な側面――お金を持つと酒やギャンブルに使ってしまう生活保護受給者もいて…
受給者を施設に押し込め、生活保護費をかき集める……。そんなイメージのつきまとう貧困ビジネスだが、内側からの景色は少々違うようだ。実際に生活保護を受けながら、貧困問題をテーマに取材活動をするジャーナリスト・長田龍亮氏はこう語る。
「貧困ビジネスは悪く言われますが、ある意味で必要悪な側面もあるんです。世の中には金銭感覚がズレていて、お金を持つと、ある分だけ酒やギャンブルに使ってしまう人もいます。僕が最初に入った施設では一度に小遣いを渡すとそのお金を持って飛んでしまう人もいたので、毎日500円が各々に渡されていました。それとは別に月に一度、5000円の小遣いもあった。食費として月に4万円徴収されましたが、これも考え方次第。怠慢な生活を続けている人だと3食4万円は安く感じます」
長田氏が貧困ビジネスに巻き込まれたのは偶然だった。フランスでの放浪~ホームレスシェルターを経て、帰国。関東で住み込みの仕事を探していると、「土木関係の仕事がある」と誘われた。そうして、面接に向かった先が「ユニティー出発(たびだち)」という貧困ビジネスを展開する低額宿泊施設だった。
「嘘の求人に釣られてしまったんです。実態は生活保護を食い物にした貧困ビジネスで、2畳半の劣悪な宿舎が用意されました。貧困ビジネスの最大の特徴は、仕事を探すのがNGなこと。この施設もそうでした」
ただ、この生活が嫌になって逃げたとしても、誰も止めはしないという。たとえ上野や新宿といった場所で勧誘者が“逃亡者”を見つけても問いただすこともない。本人の意思次第で退所することも構わないのだ。
「各自の役割といえば、毎日決まった時間に掃除するだけで、あとは何もすることがない。それで三食付きですし、部屋ごとにテレビもありました」
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