メガバンクは日本国債と心中する覚悟を決めた!?

1000兆円まで積み上がった日本国政府の借金。日本の財政破綻、つまり日本国債がある日突然、暴落する可能性はこれまでにも頻繁に指摘されてきたが、それが起きるかどうかはすべて日本の銀行の行動にかかっているといえる。

◆日本の銀行はお年寄りから集めたお金で日本国債を買う簡単なお仕事【後編】

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 銀行は、預金や金融市場で借りた短期資金を企業などに長期で貸し出し、その長短の金利差で儲けるのが基本的なビジネスモデルだ。ところが、日本では不景気が続き、企業がお金を借りて新しい事業に投資したりしなくなってしまった。そして、「お金を貸してくれ」と言ってくる会社は、資金繰りに困った潰れそうな会社ばかりになってしまった。その結果、日本の銀行はお金の貸出先がなくなり、日本国債をせっせと買い込むようになったのだ。日本の銀行は、お年寄りから集めたお金で日本国債を買うという簡単なお仕事をしているのである(我が国の銀行の名誉のために言っておくと、窓口に来たお年寄りに変な投信を売りつけるという難しい仕事もちゃんとしている)。

 このように決算はよかったメガバンクだが、株価は相変わらず冴えない。将来のビジネスモデルが描けないのだ。預金を集めて国債を買っているだけなら、銀行員の高い給料を払うことを考えたら、銀行株なんて買わずに、直接個人向け国債でも買ったほうがマシである。お年寄りや退職金を受け取った団塊世代に、手数料の高い投信を売りつけるというビジネスを熱心にやっているので、そこがもっと儲かれば、銀行員の給料ぐらいは正当化できるかもしれない。

 ところで、日本国政府が1000兆円もの借金を積み上げることができたのは、日本の銀行がこうやってせっせと日本国債を買ってくれたおかげだ。こうして日本では、これから伸びる産業に資金を供給するという金融本来の役割を誰も果たさないまま、「失われた10年」は20年となったのだけれど。日本の銀行は日本国債と心中する覚悟を決めたようだが、さてXデーはいつになるのだろうか?

メガバンク,株価

好業績とは対照的に、株価は低迷を続けるメガバンク。この5年で株価は7割以上も下落し、PERは5~7倍程度、配当利回りは5%弱。もちろん、PBRはメガバンクすべて1倍を割り込んでいる

【今週の数字】
三菱UFJFGが保有する日本国債の残高
49兆円

 我が国最大のメガバンクである三菱UFJFGが保有する日本国債の残高は49兆円。これは国内企業への貸出残高の46兆円を上回った。みずほも約34兆円、三井住友は約28兆円の日本国債を保有している

【藤沢数希氏】
欧米の研究機関にて計算科学、理論物理学の分野で博士号を取得。その後、外資系投資銀行に転身。主宰するブログ「金融日記」は月間100万PV、ツイッターのフォロワーは6万人に及ぶ。最新刊『「反原発」の不都合な真実』(新潮新書)が発売中

― 日本の銀行はお年寄りから集めたお金で日本国債を買う簡単なお仕事【2】 ―

「反原発」の不都合な真実

『反原発』を冷静に論ずる




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